こんばんは。キタダハルキです。
今日はビーフシチューパイも食べてご満悦だったんですが…皆様はいかがお過ごしでしょうか。
本日はTSUTAYA店舗レンタル日記。やりたいと思います。
今日のキーワードは…【どうしようもなく、正直な生傷だらけ】。
それでは、レビューしていきたいと思います。
■at the BLACK HOLE/YOSHII LOVINSON(2004)
THE YELLOW MONKEY(以下、イエモン)のボーカリスト・吉井和哉(以下、ロビン)、初のソロプロジェクトYOSHII LOVINSONの1stアルバムです。当プロジェクトはイエモンの活動休止中*1に立ち上がったものです。
イエモンがこう…ギラギラが臨界点まで到達してバンド(というか、吉井和哉自身)が大きく疲弊し、それがバンドとしては健康体とは思えなかったアルバム『8('00)』に生々しく表れていた中でイエモンが歩みを止め、ロビンがソロデビュー…
で、出たのがこのアルバムということで…どうなるんや?と思って再生したら流れたのが上記『20 Go(M-1)』だったわけです。スカスカしていて空間が空きまくり、どうしようもなく暗い音像で間奏に流される『ファック(ス)*2を送信します』…でも、正直な音が鳴っていて…
当時はおったまげましたよね。なんだこれはと。
それこそ、先行シングルだった大名曲『TALI(M-2)』からは一切想像だにしなかったんですよね。正直、スッとポップな曲はこれだけです。逆にアルバムの中で浮いてるかも?とすら思うぐらい。
このアルバム、ドラム以外はほぼロビンの宅録で出来上がっているんですよね。
それゆえの不完全性、でもグルーヴには一貫性があるようにも思うし…ただアルバムとしてはずーっと曇り空で…『SWEET CANDY RAIN(M-9、2ndシングル)』だって正直にハッキリ雨が降ってるというよりも、ずっとどんよりしているんですよ。
これが終わった後、それこそミスタッチすらもそのまま採用したと思われる暗黒宇宙をさまようようなインストナンバー『AT THE BLACK HOLE(M-10)』で締められたのを聴いて、もう呆然としていたのを思い出しますね。
でも私はね、このどうしようもなく正直な生傷だらけのこの作品が好きでしょうがないんですよ。虚飾もなにもかも取っ払った、ロックスターの鎧を脱いだ吉井和哉の姿がそこにはあると思いますね。
■終わりに:こんなに正直なアルバムってそうはない。
レビューは以上になりますが…
当作品は今でも折に触れては聴いてますね。
そら毎日、って感じではない作風ですし、気分爽快なアルバムからは程遠い。それは認めざるを得ない。
でも、こんなに正直なアルバムってそうはないし、この一枚からしか摂取できないフィーリングは間違いなく、あるんですよ、今でも。
それでは、今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
もし気に入っていただけましたら、もう一記事、読んでいただけると嬉しいです。
★YOSHII LOVINSON・アルバム時系列レビュー
↓次作(2nd)のレビューはこちら。今作のブラックホールを抜け出た、憑き物が落ちたような開き直りもあり、帰還した感覚のあるアルバムです。
★関連(個人的お勧め含む)作品・記事
↓今作をもういっぺんレビューを書きながら通しで聴いてるときに…「あぁ、これってロビンによる”ジョンの魂”的なやつか…?」という感覚が出てきたので、ジョンのセラピオティックなアルバムを紹介しておきます。いわゆる”虚像の鎧”を脱いだ感覚に、当作品との共通項を感じます。
※前回の当カテゴリの記事はこちら。マルーン5のベスト盤は、知らん曲ない人も珍しくないと言わざるを得ない驚異的な浸透度の作品です。

