2025-03-01から1ヶ月間の記事一覧
日本で絶大な人気を誇るジャズピアニスト、ソニー・クラークが1960年に残したトリオ作品(通称『The 1960 Time Sessions』)をレビュー。1957年の同名名盤とは異なる本作の、セッション色が強く硬派な「ジャズらしさ」に焦点を当てます。彼の代名詞である「…
カナダのエレクトロニカミュージシャン、ダン・スナイスによるカリブー名義の傑作『Our Love』(2014年作)をレビュー。確実に心地よいのと言葉での形容の難しさが同居する本作の本質を「淡いUMAMI」という言葉で紐解きます。電子音楽にありがちな実験的でわ…
英ブリストル出身のドリーム・ポップ/ネオアコ・バンド、ザ・サンデーズの歴史的1stアルバム『Reading, Writing And Arithmetic』(1990年作)の購入レビュー。ディスコード気味でありながら抜群の美しさを放つサウンドと、素朴で純真な草原を思わせるボー…
シカゴを拠点に活動した天才ミュージシャン、DJラシャドが生前に残した唯一のフルアルバム『Double Cup』(2013年作)をレビュー。ダブステップ、アシッドジャズ、ハウスを横断し、J・ディラを彷彿とさせるサウンドコラージュをも網羅した本作の魅力を「エレ…
オリコン5位を記録し日本でも大ヒットしたレニー・クラヴィッツの5thアルバム『5』(1998年作)をレビュー。プリンスらの影響が顕著な作風や、5曲目までに盛り上がる曲がない配置、当時の流行であるトリップホップに歌が寄り添いきれていない違和感を鋭く分…
轟音シューゲイザーの先駆者であるオックスフォードのロックバンド、ライドが1994年に発表した3rdアルバム『Carnival Of Light』をレビュー。それまでの歪みを抑え、重厚で落ち着いたサイケデリック・ロックへと移行したサウンドの変化を「成熟か、それとも…
パーケイ・コーツの2018年作『Wide Awake!』をレビュー。前作の成功に安住せず、デンジャー・マウスを招いてファンキーなアンサンブルや洗練されたメロディへと舵を切った意欲作。粗削りな勢いはそのままに、さらなる進化を遂げた「生き物」のようなアルバム…
ブラジル音楽(MPB)の至宝、カエターノ・ヴェローゾ(Caetano Veloso)の'97年作『Livro』をレビュー。ボサノヴァの癒しと、前衛的な実験精神が共存。「混沌時代」「奴隷船」といったテーマを内包し、決して退屈させない深遠なる音楽世界を紐解きます。
イギリスが誇る至高のバンド、シャーデーが1988年に発表した3rdアルバム『Stronger Than Pride』をレビュー。緊張感とリラクゼーションが奇跡的なバランスで同居するアンサンブルの圧倒的な完成度を評価しつつ、美麗なジャケットイメージと収録内容の間に潜…
米国テキサスのポストロックバンド、エクスプロージョンズ・イン・ザ・スカイの5thアルバム『All Of A Sudden I Miss Everyone』(2007年作)をレビュー。静寂から轟音へと一気に感情を揺さぶる「暑くて寒い」独自のアンサンブルと、今作でより鮮明になった…
米国のオルタナティヴ・ロックバンド、R.E.M.の名声を本格的に押し上げた4thアルバム『Life's Rich Pageant』(1986年作)をレビュー。メタスコア93点という圧倒的高評価を誇る本作が、初期の「マニアックで敷居の高いサウンド」からいかに脱皮したのかを解…
独自極まる世界観でロックシーンに君臨する3ピースプログレバンド、八十八ヶ所巡礼が2012年に発表した3rdアルバム『○△□』をレビュー。音階自体は極めて奇天烈な不協和音でありながら、一ミリのブレもなく強固に構築された「超硬質でガッチリとしたサウンド」…
GSサウンドをベースにした独自のロックンロールで一世を風靡したGO!GO!7188の解散後ベスト盤『ベリー ベスト オブ ゴー! ゴー!』をレビュー。かつて大学時代に『ジェットにんぢん』をコピーした筆者が、一見シンプルに見えて実は緻密で高い集中力を要する彼…
BRAHMANのメンバーらによるアコースティック・バンド、Overground Acoustic Underground(現・OAU)が2006年に発表した1stアルバムをレビュー。バイオリンやコントラバスを常設し、BRAHMAN以上にフォーキーかつトラッドなテイストを前面に押し出した本作の音…
トイ・ストーリー等の映画音楽でも知られる巨匠ランディ・ニューマンが2017年に発表し、2010年代の名盤と評される『Dark Matter』をレビュー。ディズニーミュージカルを彷彿とさせる緻密な作曲技術の粋と、アメリカ南部の濃厚なブルースを土台とした独特の作…
山下達郎のフェイバリットとしても知られるブルーアイドソウルの元祖、ヤング・ラスカルズの1967年発表の代表作『Groovin'』をレビュー。マーヴィン・ゲイを彷彿とさせるソウルフィーリングと、シンプルながら空間を豊かに満たす「できそうでできない」極致…
パニック・アット・ザ・ディスコの6thアルバム『Pray For The Wicked』をレビュー。大ヒット曲「High Hopes」を含む、ダンスR&Bとミュージカル的な歌劇性が融合した本作。ソロユニットとしての色が強まる中、劇的なドラマ性と圧倒的な歌唱力で描かれる「ひと…
21世紀のギターヒーロー、ジャック・ホワイトが2022年に発表したソロ4作目『Fear Of The Dawn』を取り上げます。実験的で敷居の高かった前作から一転し、ガレージライクな鳴りとゴシックホラー的な奇怪さが同居した、わかりやすい「ジャック・ホワイトらしさ…
シンガーソングライター・小林建樹の2025年最新作『BLOSSOM』をレビュー。53歳にして放つ「春らしい、パステルピンクなポップネス」を徹底解説。米津玄師から尾崎豊までを彷彿とさせる、時代をクロスオーバーする圧倒的な作曲技巧としなやかな感性に迫ります…
ニューヨークのダダリオ兄弟によるユニット、レモン・ツイッグスの2016年発表の1stアルバム『Do Hollywood』をレビュー。一見オールドテイストなポップスと思わせておきながら、空間が歪むようなプログレッシブかつ複雑な楽曲レイヤーが次々と展開する絵巻物…
米津玄師の6thアルバム『LOST CORNER』をレビュー。リリース期間・収録時間(70分超・20曲)の双方における「長さ」に直面した率直な感想を綴ります。強烈なタイアップ曲が並ぶことによる多様性の欠如や飽和感を考察しつつ、常田大希氏との共作『KICK BACK』…
イギリスのアートロックバンド、ジーズ・ニュー・ピューリタンズの3rdアルバム『Field of Reeds』をレビュー。トーク・トークを彷彿とさせる緻密な音の編み上げがもたらす立体的な響きと、抽象的なダンジョンを思わせるダークアンビエント的な不穏さを考察。…
hitomiが2004年に発表したアルバム『TRAVELER』をレビュー。ボサノヴァ調の開幕や山崎まさよし提供の『風の伝言』など、従来のポップ・ロック路線から一歩踏み出した意欲作としての側面を紐解きます。名盤だった過去作と比較しつつ、多くの制作陣が関わるこ…
英国ロックの至宝、ブラーが12年の沈黙を破り放った2015年の復活作『The Magic Whip』をレビュー。ソロの延長でも奇をてらった新機軸でもない、全盛期を彷彿とさせる「あのけだるさ」と精緻なギターサウンドが見事に融合した一作を紐解きます。ファンが待ち…
ザ・ビートルズが1963年に発表した記念すべき1stアルバム『Please Please Me』をレビュー。これまで『アビー・ロード』や『ホワイト・アルバム』など後期のサイケデリックなアーティスティック路線を好み、初期作をスルーしてきた音楽ファンとしての視点から…
井上陽水、1980年発表の8thアルバム『EVERY NIGHT』をレビュー。冒頭『サナカンダ』に見られる最先端AORのサウンドは、今聴いても驚くほど先進的。当時のセールス低迷の理由を、アルバム構成の「リラックス感」から考察。ポップさを超えた先にある、耐用年数…
カナダ出身のラッパー、ドレイクが2013年に発表した3rdアルバム『Nothing Was the Same』をレビュー。ヒップホップをメインで聴かない層にもスッと馴染むメロディアスなラップと、落ち着いたスタイリッシュなビートがもたらす「聴きやすさ」の魅力を紐解きま…
UKのロックバンド、フォールズが2008年に発表した衝撃の1stアルバム『Antidotes』をレビュー。ポストロック的なアプローチとミニマルかつダンサブルな中毒性でシーンを席巻した、バンド唯一無二の初期衝動サウンドを紐解きます。その一方で、音使いの少なさ…
ブログ筆者のヘビープレイ紹介企画「最近、こんなのよく聴いてます。」'25年3月号。集計の手違いから昨日急遽レビューしたギャング・オブ・フォーをはじめ、失敗作の枠を超えた幅を感じるディープ・パープル、20年越しにインディーロックとしての本質に気づ…
イギリスのポストパンクバンド、ギャング・オブ・フォーの2ndアルバム『Solid Gold(1981)』をレビュー。前作のキャッチーな幕開けとは対照的に、ダークで不気味、ポップさ皆無の本作。しかし、当時のポストパンク/ニューウェーブ界を席巻した「ファンキー…