いちいち、音楽を考える。

音楽はフィーリングも大事だけど、いちいち考えてみたくなるんです。

2025-06-01から1ヶ月間の記事一覧

そっちのシーではないけど、海を連想させるサウンド。【See-Voice/パソコン音楽クラブ(2021)】|今日のDMM月額レンタル日記。#207

大阪のDTMユニット、パソコン音楽クラブの3rdアルバム『See-Voice』をレビュー。ハウステイストにシティポップの風味が溶け込んだ、都会的で洗練されたエレクトロニカの魅力を紐解きます。ミニマルで心があらわれるような静けさと、ポップな鍵盤のメロディが…

ブリグリ、唯一のベスト盤。【complete single collection '97-'08/the brilliant green(2008)】|今日のDMM月額レンタル日記。#206

ロックバンド・the brilliant greenの唯一のベストアルバム『complete single collection '97-'08』をレビュー。幻の全英詞デビュー曲『Bye Bye Mr. Mug』などのアルバム初収録曲や、貴重なシングルバージョンの数々から本作の価値を紐解きます。世紀末のダ…

ポップで聴きやすい内容で、そこに全力を注げているのでいいのでは?【Cardiology/Good Charlotte(2010)】|今日のDMM月額レンタル日記。#205

グッド・シャーロット(Good Charlotte)の5thアルバム『Cardiology』をレビュー。一部海外メディアから極端な低評価(メタスコア50点、NMEの1/10など)を受けた本作に対し、実際の聴き味から真っ向から反論します。音楽的独創性やテーマの若さといった留意…

集大成。パンクの中にニューウェーブの風。【Setting Sons/The Jam(1979)】|今日のTSUTAYA DISCAS日記。#400

ザ・ジャムの4thアルバム『Setting Sons』をレビュー。パンクの衝動を保ちつつ、ニューウェーブの洗練や高度な作曲技術を融合させた「集大成」的な本作。ストリングスの導入やR&Bのカバーなど、1stから続く成熟の過程が結実した、今なお色褪せないおしゃれで…

聴きやすくはない。でも、あっという間に聴き終わっちゃった…【Before Today/Ariel Pink's Haunted Graffiti(2010)】|今日のDMM月額レンタル日記。#204

ロサンゼルスのシンガーソングライター、アリエル・ピンクス・ホーンテッド・グラフィティの8thアルバム『Before Today』をレビュー。サイケデリック、AOR歌謡曲風、ポストパンク、グランジなどが目まぐるしく交錯する奇怪で多彩なサウンドを分析します。フ…

目の前でこちらをうかがうように徘徊してくるような…【Halcyon Digest/Deerhunter(2010)】|今日のDMM月額レンタル日記。#203

ディアハンター(Deerhunter)の5thアルバムであり代表作『Halcyon Digest』をレビュー。聴く者のやる気を即座に奪っていくような極度の脱力感と、ボワーッとヘロヘロしたサイケデリックな音像の魅力を紐解きます。バンド屈指の明るさを持つ『Memory Boy』や…

ドラマチックな、重低音組曲。【Lysol/Melvins(1992)】|今日のTSUTAYA DISCAS日記。#399

ワシントンのドゥームメタルサウンドの祖、メルヴィンズ(Melvins)の4thアルバム『Lysol』をレビュー。リリース直前のタイトルを巡るひと悶着やセルフタイトル(『Melvins』)と呼ばれる背景を紐解きます。CDでは1トラック扱いでシームレスに展開される『Hu…

海中できらめく日光を見透かしているかのような透明度。【Dive/Tycho(2011)】|今日のDMM月額レンタル日記。#202

カリフォルニア出身のアンビエントアーティスト、Tycho(ティコ)の2ndアルバム『Dive』をレビュー。「海中できらめく日光を見透かしているかのような透明度」と評される、圧倒的に爽やかで心地よいサウンドの魅力を綴ります。インスト音楽初心者にも自信を…

とにかく、売れてほしかったの一語。【OK SCREAMER/GREAT ADVENTURE(2007)】|今日のDMM月額レンタル日記。#201

埼玉県出身のロックバンド、GREAT ADVENTUREの3rdアルバム『OK SCREAMER』をレビュー。カサビアンのオープニングアクトを務めるなど確かな実績を持ちながらも、セールス面で不遇だった実力派バンドの魅力に迫ります。ダンス・ソウル調の打ち込みサウンドや、…

ジャケットの色温度通り、熱くて暑いアルバム。【Community Music/Asian Dub Foundation(2000)】|今日のDMM月額レンタル日記。#200

南アジアテイストを融合した独自のビッグビートで知られるエイジアン・ダブ・ファウンデイション(Asian Dub Foundation)の3rdアルバム『Community Music』をレビュー。下から突き上げるような鋭い攻撃性と政治的リリック、オリエンタルな空気感、そして抜…

守りに入らぬ、旺盛なクリエイティビティ。【So Beautiful Or So What/Paul Simon(2011)】|今日のDMM月額レンタル日記。#199

サイモン&ガーファンクルのポール・サイモンが2011年に発表したソロ12thアルバム『So Beautiful Or So What』をレビュー。当時70歳という驚異の年齢でありながら、アコースティックな根幹を軸にレゲエ、ワールドミュージック、ロックンロールを融合させた、…

スカイハイって12色あんねん。【Sky High & Rare Tracks/Jigsaw(2017)】|今日のDMM月額レンタル日記。#198

不朽の名曲で知られるイングランドのポップバンド、ジグソー(Jigsaw)の40周年記念・日本独自企画盤『Sky High & Rare Tracks』をレビュー。驚異の「冒頭から12パターン連続」で収録された、王道EDMリミックスを含む多彩な『スカイ・ハイ』のインパクトをユ…

陶酔感の、萌芽に立ち合う。【See You On The Other Side/Mercury Rev(1995)】

ニューヨークのネオ・サイケデリア・バンド、マーキュリー・レヴ(Mercury Rev)の3rdアルバム『See You On The Other Side』をレビュー。後に世界的な大絶賛を浴びる4th『Deserter's Songs』の萌芽を感じさせる、過渡期ならではのサウンドを紐解きます。オ…

非凡でプログレッシブ、音よりリズム!【Chico Hamilton Quintet In Hi-Fi/Chico Hamilton Quintet(1956)】|今日のTSUTAYA DISCAS日記。#398

アメリカ西海岸を代表するジャズドラマー、チコ・ハミルトン(Chico Hamilton)率いるクインテットの1956年作『In Hi-Fi』をレビュー。メロディ中心のベタなジャズとは一線を画す、「音よりリズム!」が主役となる珍しい体感のアンサンブルを紐解きます。そ…

脈打つ肉体、オリエンタルで近未来的。【Flatspin/Ken Ishii(2000)】|今日のTSUTAYA店舗レンタル日記。#36

東洋のテクノゴッド、ケン・イシイの2000年作『Flatspin』をレビュー。肉体が脈打つような力強いビートと、オリエンタルで近未来的なメロディが融合した本作の魅力を紐解きます。テクノ特有の敷居の高さを感じさせないキャッチーさと、入門編としても最適な…

落ち着きのある作風を、身体が理解するかどうか。【so_mania/SOUL'd OUT(2012)】|今日のDMM月額レンタル日記。#197

近年、ネットやSNSを中心に再評価の波が続くヒップホップグループ、SOUL'd OUTが2012年に発表した5thアルバム『so_mania』をレビュー。4年7か月ぶりの復活作となった本作の、クラブミュージックに傾倒した成熟感と、キャッチーさから距離を置いた落ち着きの…

やたらと怖いイメージを持たれがちだけど…【Black Metal/Venom(1982)】

のちの過激なメタルシーンの源流であり、ジャンルの大元となった英ニューカッスルのバンド、ヴェノム(Venom)の1982年発表の2ndアルバム『Black Metal』をレビュー。悪魔主義的な世界観やおどろおどろしいイメージの先入観を覆す、スッキリとして聴きやすい…

お蔵入りを乗り越えて…【Smile/Brian Wilson(2004)】|今日のTSUTAYA DISCAS日記。#397

ビーチ・ボーイズ時代に未完のままお蔵入りとなり、数々の悲劇を生んだ伝説の幻のアルバムを、ブライアン・ウィルソンが37年の時を経てソロとして完成させた2004年作『Smile』をレビュー。かつて初聴時に「難解」と感じてスルーした経験から、バンドの歴史や…

生命を謳歌するような、鈍くも光る輝きに…【It's A Wonderful Life/Sparklehorse(2001)】|今日のTSUTAYA店舗レンタル日記。#35

マーク・リンカウス率いるUSリッチモンドのインディーロックバンド、スパークルホース(Sparklehorse)の2001年発表の3rdアルバム『It's A Wonderful Life』をレビュー。トム・ウェイツやPJハーヴェイら豪華ゲストが参加した本作の、ダウナーで繊細な空気感…

ヒップホップからポップR&Bへ。巧みなアハ体験的グラデーション。【Parade/MAZZEL(2024)】|今日のDMM月額レンタル日記。#196

MAZZELの1stフルアルバム『Parade』をレビュー。オーディション番組未視聴の視点から、純粋に音楽としての完成度を評価。ヒップホップの力強いフレーバーから始まり、後半にかけてポップR&Bへと鮮やかに移り変わる「アハ体験」のようなグラデーション構成を…

箱に詰め込まれた、フリースタイル。【殻落箱/けいちゃん(2021)】|今日のDMM月額レンタル日記。#195

YouTube発のフリースタイルピアニスト・けいちゃんの1stアルバム『殻落箱』をレビュー。ポップな完成度と表現力が光る代表曲『√Future』の魅力や、ヒイズミマサユ機(PE'Z・東京事変など)の影響を強く感じさせるアグレッシブなフレージングを分析します。ボ…

高いフォーク純度と、敷居の高さを乗り越えて。【Rejoicing In The Hands/Devendra Banhart(2004)】|今日のTSUTAYA DISCAS日記。#396

2000年代フリー・フォークの旗手デヴェンドラ・バンハート(Devendra Banhart)が2004年に発表した3rdアルバム『Rejoicing In The Hands』をレビュー。ほぼボーカルとアコースティックギターのみで構築された高いフォーク純度と、浪曲をも彷彿とさせる強烈な…

今にも壊れそうな美しいノスタルジア。【アルバム第二集/台風クラブ(2023)】

京都の3ピースバンド・台風クラブ、6年ぶりの2nd『アルバム第二集』をレビュー。ザ・ナックやザ・ラーズの影を感じさせるガレージ・インディーサウンドと、日本語が織りなす「今にも壊れそうな美しいノスタルジア」。ボーカルのコンディションに触れつつも、…

耳慣れ、全力拒否。【Freak Out!/Frank Zappa & The Mothers Of Invention(1966)】|今日のTSUTAYA店舗レンタル日記。#34

ロック界屈指の異才フランク・ザッパ(Frank Zappa)がマザーズ・オブ・インヴェンションを率いて1966年に発表した傑作デビューアルバム『Freak Out!』をレビュー。オールディーズ調の聴きやすさで油断させた直後、アヴァンギャルドな実験音楽の世界へと引き…

ポップなわかりやすいR&Bが聴きたいんや!という願いを…【4/Beyoncé(2011)】|今日のDMM月額レンタル日記。#194

世界のトップディーヴァ、ビヨンセ(Beyoncé)が2011年に発表した4thアルバム『4』をレビュー。近年のアーティスティックな路線に敷居の高さを感じる人にこそ聴いてほしい、ポップで王道なR&Bの魅力が詰まった本作を紐解きます。驚異の連続転調に圧倒される…

カヴァーの中に、パンクの萌芽。【Pin Ups/David Bowie(1973)】|今日のDMM月額レンタル日記。#193

デヴィッド・ボウイ(David Bowie)が1973年に発表したカバーアルバム『Pin Ups』をレビュー。前後を名盤に挟まれ、評論的には苦戦した本作の奥に潜む「パンクの源流」としての価値を紐解きます。オープニングを飾る「Rosalyn」の小細工なしの衝動や、オリジ…

カントリー・ブルース・ハードロック・ロケンロール!【All American Boy/Rick Derringer(1974)】|今日のTSUTAYA DISCAS日記。#395

アメリカのギタリスト/シンガーソングライター、リック・デリンジャー(Rick Derringer)が1974年に発表した傑作ソロデビューアルバム『All American Boy』をレビュー。Superflyのカバーでも知られる世紀の名曲「Rock and Roll, Hoochie Koo」をはじめ、カ…

【2025年6月号】最近、こんなのよく聴いてます。

月刊ヘビープレイ紹介企画「2025年6月号」。今月はtonunやCreepy Nutsなど邦楽勢が多数ランクイン。矢井田瞳のロックな一面や、FreeTEMPOの心地よいサウンド、そして正体不明の魅力を持つUnknown Mortal Orchestraまで、ポップさと不可思議さが同居する今月…

流して後悔しない、究極の無難。【SOUNDS/FreeTEMPO(2007)】|今日のDMM月額レンタル日記。#192

DJ半沢武志によるソロユニット・FreeTEMPOが2007年に発表した2ndアルバム『SOUNDS』をレビュー。ボサノバやハウスを基調とした、誰にとっても聴き心地のよいクラブミュージックが詰まった本作の魅力を紐解きます。「いちいち、音楽を考える」必要のない、音…

音楽としての高評価と映画の失敗。【Parade/Prince & The Revolution(1986)】|今日のTSUTAYA DISCAS日記。#394

プリンス&ザ・レヴォリューションによる1986年の名盤『Parade』をレビュー。自身製作の映画は大コケし、ラジー賞を席巻するという苦い背景を持ちながらも、音楽としての評価は極めて高い一作。不朽の名曲「Kiss」を軸に、抽象度の高いR&Bフレーバーが漂う、…