いちいち、音楽を考える。

音楽はフィーリングも大事だけど、いちいち考えてみたくなるんです。

落ち込んだときに聴きたい一枚

肉体感の増したサウンドを、どう捉えるか…【Epoch/Tycho(2017)】|今日のDMM月額レンタル日記。#290

カリフォルニアのアンビエントアーティスト、Tycho(ティコ)の4thアルバム『Epoch』をレビュー。3部作の完結編となる本作は、前作までの静謐な空気感から一転、肉体的なドラムやベースが際立つポストロック的なアプローチへと進化。変化ゆえの戸惑いと、ア…

このムードは途切れない。遠くまで連れて行ってくれる。【Con Todo El Mundo/Khruangbin(2018)】|今日のTSUTAYA DISCAS日記。#481

テキサスのサイケデリック・ロックバンド、クルアンビンの2ndアルバム『Con Todo El Mundo』をレビュー。中東やラテンの影響を深めたエキゾチックなグルーヴと、空気を途切れさせない圧倒的な演奏力が生む唯一無二の音世界。日常を忘れ、どこか遠くへ浸りた…

覚えきってしまわない、優しい時間が流れる。【Modal Soul/Nujabes(2005)】

日本を代表するローファイ・ヒップホップの先駆者、Nujabesの2ndアルバム『Modal Soul』をレビュー。ジャジーで美しい旋律と、一生懸命聴かなくても心地よく流れる「優しい時間」の魅力を紐解きます。発表から約20年が経った今も全く色褪せない、抽象的で奥…

実際、落ち込んでいるときには言葉より音自体が助けになった話。

「言葉」すら拒絶したくなるほど深く落ち込んだ日、私を救ったのは励ましの言葉ではなく、ただそこに流れる「音」でした。Nujabesの『Feather』を通じて感じた、淀みを洗い流すような音楽の力と、正気を保つための生存戦略としての音楽体験について綴ります。

とにかくキリがないほど、美メロが止まらない。【Presents Author Unknown/Jason Falkner(1996)】|今日のTSUTAYA DISCAS日記。#478

ジェイソン・フォークナーの1st『詠み人知らず』をレビュー。驚異的な多重録音で紡がれるのは、止まることのない美麗なメロディの奔流。温度が上がりすぎず、飽きのこない「ずっと食べてられる」ポップスの理想形がここに。当時の低セールスが信じられないほ…

ここぞ!というところだけ、強烈なミドルを蹴り込んでくる。【The Beautiful Game/Vulfpeck(2016)】|今日のDMM月額レンタル日記。#286

ミシガンのファンクバンド、ヴルフペック(Vulfpeck)の2ndアルバム『The Beautiful Game』をレビュー。ジャクソン5を彷彿とさせるキャッチーな「Animal Spirits」から、緻密なインスト、現代のフェス風景が浮かぶ洗練されたサウンドまで。ポップさとマニア…

250万枚。顧客満足度の鬼と言っても過言ではない作品。【Young Love/サザンオールスターズ(1996)】

サザンオールスターズの金字塔、12thアルバム『Young Love』をレビュー。かつてサザンに苦手意識を持っていた筆者が、全枚制覇を決意するきっかけとなった本作の魅力を解説。『愛の言霊』など多彩な楽曲が織りなす「顧客満足度の鬼」とも言える圧倒的な構成…

ヤマを獲った、まさに名刺的な出来。【HANA/HANA(2026)】|今日のTSUTAYA店舗レンタル日記。#92

ちゃんみなプロデュースのガールズグループ・HANAの待望の1stアルバム『HANA』を最速レビュー。「Drop」から「Blue Jeans」まで、シンデレラストーリーを駆け上がったシングル曲の圧倒的なクオリティと、名刺代わりの一枚としての構成を解説。大きな山を獲っ…

丁寧で優しい。一方、パワーも求めたくなった…【Letters/Furui Riho(2026)】|今日のTSUTAYA店舗レンタル日記。#91

Furui Rihoの3rdアルバム『Letters』を本音レビュー。1st・2ndと当ブログ年間ベスト入りの実力派が放つ最新作は、制作の苦悩が滲む丁寧で優しい仕上がりに。一方で、ダンサブルな名曲「ちゃんと」が放つ圧倒的なパワーと、アルバム全体の「日記的」な距離感…

ポップでわかりやすく”無垢”な聴き味をどう感じるか…【INNOCENCE/ACIDMAN(2021)】|今日のDMM月額レンタル日記。#283

3人組ロックバンド・ACIDMANの12thアルバム『INNOCENCE』をレビュー。アニメ主題歌『Rebirth』やヒットシングル『灰色の街』など、キャリア史上最もポップでキャッチーなメロディが際立つ本作の魅力を紐解きます。あえて「薄味」とも形容できる無垢なサウン…

躁状態で、フルアルバムのようにドライブする。【Kranke/Syrup16g(2015)】

syrup16gの2ndミニアルバム『Kranke』をレビュー。再結成後のボロボロな姿を見せた前作『Hurt』から一転、躁状態のような無敵のバンドアンサンブルで猛烈にドライブする本作の魅力を解説します。「冷たい掌」の衝撃から、自身の境遇を投影したような「To be …

実験色もありながら、空気のように溶け込む一枚。【儚くも美しき12の変奏/くるり(2026)】|今日のTSUTAYA店舗レンタル日記。#90

くるりの15thアルバム『儚くも美しき12の変奏』をレビュー。前作のロック路線から一転、ポエトリーフォーク、ラテン、メタルといった多彩な実験的アプローチを試みながらも、根底には『金星』に象徴されるような穏やかさが流れる本作。刺激と心地よさが同居…

ルーツロック味を、損ねないままメガヒット…【Superfly/Superfly(2008)】

Superflyの衝撃的な1stアルバム『Superfly』をレビュー。「愛をこめて花束を」などの特大ヒット曲を含みつつ、ブラスロックからゴスペルまで多彩な音楽性を提示した本作。ルーツロックの渋みや熱量を損なうことなく、圧倒的なポップさでオリコン1位を記録し…

”完全に離れたリスナー”を引き戻すレベルの猛烈な引力。【Rockin' Luuula/MO'SOME TONEBENDER(2005)】

MO'SOME TONEBENDERの9thアルバム『Rockin' Luuula』をレビュー。かつてそのリスナーから一度完全に離れてしまった筆者が、再びリスナーへと引き戻された記念碑的な一冊。衝撃的なギターリフが炸裂する表題曲「ロッキンルーラ」や、圧倒的なキャッチーさを誇…

このスケールは、もはや”矛盾”すらも抱きかかえてしまうのか?【everything is alive/Slowdive(2023)】|今日のDMM月額レンタル日記。#280

レディングが誇るシューゲイザーの至宝、スロウダイヴが2023年に発表した5thアルバム『everything is alive』をレビュー。モコモコとした質感に陥りがちなジャンルの枠を超え、驚くほどクリアで明瞭な輪郭を持ったサウンドの秘密に迫ります。シングル曲のキ…

ひとりでこっそり楽しむ娯楽のような…【LEISURE/TOMOVSKY(1999)】|今日のTSUTAYA店舗レンタル日記。#87

宅録ソロユニット・TOMOVSKYが1999年に放った3rdアルバム『LEISURE』をレビュー。小学生時代に衝撃を受けた「デンワデスマソウ」との再会や、高橋幸宏・高野寛ら超豪華客演を迎えながらも保たれる「ひとりきりの内的世界」の魅力を綴ります。ローファイな質…

全体に漂うゆとり・余裕・自然体。【LOVE ALL SERVE ALL/藤井風(2022)】

日本を代表するシンガーソングライター・藤井風の2ndアルバム『LOVE ALL SERVE ALL』をレビュー。「きらり」「まつり」といった名曲たちが並ぶ中、特筆すべきはアルバム全体に漂う「ゆとり」と「余裕」。サブスク時代にあえてアルバムとして聴く価値、R&B・A…

渋カッコよさを、荒々しく叩きつける。【フィンセント・ブルー/勝手にしやがれ(2004)】|今日のTSUTAYA店舗レンタル日記。#84

孤高のジャズパンクバンド、勝手にしやがれのメジャー1stアルバム『フィンセント・ブルー』をレビュー。40年代〜60年代の本格的なジャズサウンドを土台にしながらも、一発録りならではのパンキッシュな衝動が聴き手を圧倒します。代表曲「ロミオ」の衝撃から…

無邪気さへ葛藤し、鳴らされる鎮魂歌。【Requiem for Innocence/ART-SCHOOL(2002)】|今日のTSUTAYA店舗レンタル日記。#83

日本のオルタナティブ・ロックを象徴するバンド、ART-SCHOOLの衝撃的な1stアルバムをレビュー。ボーカル・木下理樹の切実な歌声と、初期メンバーによる強固なバンドサウンドが織りなす「大人になるための鎮魂歌」の魅力を紐解きます。名曲「車輪の下」に宿る…

空洞の部分に本来あるはずの、空気がみっちり詰まっている。【空洞です/ゆらゆら帝国(2007)】

ゆらゆら帝国のラストアルバム『空洞です』をレビュー。「完全に出来上がってしまった」として解散を決断させた本作の、圧倒的な完成度と説得力に迫ります。タイトル通り「空洞」をテーマにしながらも、そこにあるはずの空気がみっちりと詰まったような独自…

ハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか。それともそんなものは超越した美しいことなのか。【ロメオの心臓/Blankey Jet City(1998)】|今日のDMM月額レンタル日記。#274

Blankey Jet Cityの7thアルバム『ロメオの心臓』をレビュー。打ち込みを導入し、映画のサントラのような構成で攻めた本作。ロカビリーの熱量と、ロックバラードに宿る危ういほどの純粋性が同居する音像を紐解きます。代表曲「赤いタンバリン」が放つ圧倒的な…

本人は当然のごとく、リスナーもこのカッコよさを信じ切れる。【I believe/矢沢永吉(2025)】|今日のDMM月額レンタル日記。#272

日本ロック界のレジェンド、矢沢永吉の35thアルバム『I believe』をレビュー。76歳にしてオリコン1位を獲得した本作の圧倒的な熱量と、紅白歌合戦での圧巻のパフォーマンスを経て感じた「不変のカッコよさ」を紐解きます。グラムロックの疾走感から深みのあ…

過去にケリをつけ、清算できたことに意味がある。【delaidback/syrup16g(2017)】

syrup16gが2017年に発表した10thアルバム『delaidback』をレビュー。五十嵐隆のソロプロジェクト『犬が吠える』時代の楽曲を蔵出しし、完成させた本作が持つ「過去の清算」としての意味を考察。生々しい楽曲群や、長年待ち望んだ「赤いカラス」の音源化など…

特色十分。名刺代わりに機能するミニアルバム。【朝顔/折坂悠太(2021)】|今日のDMM月額レンタル日記。#271

シンガーソングライター・折坂悠太の3rdミニアルバム『朝顔』をレビュー。ドラマ『監察医 朝顔』の主題歌として知られる表題曲をはじめ、沖縄民謡のカバーや濃密なインスト、バラードまで、彼の独特な音楽的個性を凝縮しながらも「聴きやすさ」を両立させた…

暖色と寒色は、もっと並立できる気も。【DEAR MYSTERIES/TOMOO(2025)】|今日のTSUTAYA店舗レンタル日記。#78

注目のポップシンガー・TOMOOの2ndアルバム『DEAR MYSTERIES』をレビュー。「Present」などのヒット曲が並ぶ前半の「暖色」ゾーンと、エッジーな新曲が揃う後半の「寒色」ゾーン。パキっと分かれた構成が生む聴き味の違いや、BREIMEN高木祥太編曲の「餃子」…

不協和音を、音楽で払しょくできたことがすべて。【GREATEST FIVE/RIP SLYME(2025)】|今日のDMM月額レンタル日記。#270

2026年3月までの再活動を宣言したRIP SLYMEの集大成、3枚組ベストアルバム『GREATEST FIVE』をレビュー。数々の代表曲はもちろん、不穏な空気を一変させた新曲『どON』や『Wacha Wacha』の衝撃、そして「いろいろあった」過去を肯定する『結果論』まで。不協…

ポップで、ハードで、エモい。【Frosting on the Beater/The Posies(1993)】|今日のTSUTAYA店舗レンタル日記。#76

90年代パワーポップを代表するワシントンの実力派、ザ・ポウジーズの3rdアルバムにして最高傑作をレビュー。冒頭の「Dream All Day」から放たれるエモーショナルな熱量と、美しく重なるコーラスワーク、そして中盤から顔を出す深いメランコリー。ドラムのフ…

この作曲の幅は、もはや魔術師…【Gift/小林建樹(2023)】

シンガーソングライター・小林建樹の11thアルバム『Gift』をレビュー。カエターノ・ヴェローゾを彷彿とさせる複雑なコードワークと、嵐への楽曲提供でも証明済みのポップセンスが共存。山下達郎への深い敬愛が滲むオマージュまで、音楽の「魔術師」による12…

ガッと心を掴まれて立ち尽くしてしまうような…【kocorono/bloodthirsty butchers(1996)】|今日のDMM月額レンタル日記。#264

札幌が誇るロックバンド、bloodthirsty butchersの4thアルバム『kocorono』をレビュー。朴訥な歌声と、緻密にコントロールされた「熱量ある冷気」のような轟音サウンド。日本のオルタナシーンに多大な影響を与え続ける、時代を超えた傑作の魅力を紐解きます。

ラップ俺!ビート俺!全部俺!【新人クレバ/KREVA(2004)】

KICK THE CAN CREWの活動休止後、衝撃のソロデビューを飾ったKREVAの1stアルバム『新人クレバ』をレビュー。名曲『音色』に宿る圧倒的なポップさと、クリエイターとしての孤独や葛藤を越えた先にたどり着いた「新人」という謙虚なアティテュード。20年経って…