「自分で切り開く」生き方の提示。
Survival Plan/Cage9 2009年1月21日
Comatose
That's When I Fuck Things Up Again
Worst Case Scenario
Horsey
Explorers of the Ocean
Over and Out
Right the Wrongs
Kiss from the Abyss
We Sleep with Skeletons Tonight
2:30 and Anxious
Nine Oh Nine
In Search of Tsio
Eye on the Television Sky
Fireflies of Dementia
Wars Between Us
実は本国アメリカよりも、日本で人気があるともっぱらの評判のエモバンドである、Cage9。ただ、その理由は何と言っても日本人好みの「わかりやすい」グッドメロディやと思うんですよね。一応、スクリーモにも分類される彼らではありますけど、いわゆる「やり過ぎ、叫びすぎ」感などはなく、マジな話、万人におススメしていい作品だと私は思います。
その中でもグッドメロディが際立つ3曲をピックアップして、本日はご紹介したいと思います。
■「オーバードーズ」から、目を覚ませ!
※PVがややキモなんで、閲覧注意。
しょっぱなのアルペジオから、カッケー!ってなりましたね。初回聴いたときに「名盤」の予感がプンプンしたのを覚えています。演奏の精度が高いから、ヘビーな音像でもぼんやりせずにカチッとハマっていますよね。
そして、この楽曲に込められたメッセージはとても強烈。
We're comatose and overdosed
So easy to believe when all the world is comatose(Comatose/Cage9)
現代社会って、過剰に色々なもの(情報やらなにやら)が飛び込んでくるじゃないですか。それを称してオーバードーズ(薬物過剰摂取)って比喩されていると思うんですが、こういう状態のときって、なんでもかんでも「正しく見えて」、信じてしまったりしてしまいやすいですよね。誰もが「正解」だと思って意見を発してくるわけですしね。
だけど、結局は自分自身がどうやって生きていくかは、自分で計画を立てていかないといけないじゃないですか。要は目を覚ませ!ってことですよね。情報はゴールを示しているわけではないですからね。まさに自分で生き抜くための「サバイバル・プラン」。
そういうところがアルバムのテーマにも合致していますし、メロディ・楽曲面ともに非常に完成度の高い楽曲だと思います。
■コーラスだけで持っていける「ズルい」ライブチューン。
もう、こちらも冒頭でガッツリ持ってかれますよね。あのコーラスだけでオーディエンスを一つにまとめ上げることができるやろ、ってぐらいの「ズルい」ライブチューンです。
歌詞は特段深くはなく、いわゆる「ギャングの裏切り」のようなストーリーが展開されています。で、この深くなさがポイントになっているのか、非常にノリよく、語呂もいいんですよね。
I don't care about your insurrection
Point that thing in the right direction
I don't need your protection
Shine that light in the right direction(Horsey/Cage9)
試しに発音してみると分かると思いますが、非常に語呂よくメロディーの上を転がっていきます。この気持ちよさも、ライブで一気に盛り上がりきれるポイントになっていると思います。
■ハリウッド映画のように、ドラマチックな「信頼関係」。
こちらは今までのハードなイメージから一転…までは行きませんが、楽曲からはバリバリにエモーショナルな感じが伝わってきますね。たっぷりした休符の間が、感情を思い切り乗せるのに一役買っていますね。ドラマチックです。ハリウッド映画のワンシーンみたいな、と言いますか。
こちらは非常にストレートに、「信頼関係」が歌詞にしたためられています。
But if you lose yourself, I would
find you again, I know I could.
And when you're so misunderstood,
I'll be your translation.(2:30 and Anxious/Cage9)
あなたが自分を見失おうとも、私が見つける。あなたが分かってもらえないときも、私があなたを理解する、ってことなんですけど…こう言ってもらえると心強いですよね。どんなに分かってもらえなかったとしても、ひとり、分かってくれる人がいれば、それだけで勇気、出てきますもんね。
琴線に触れるメロディーと共に、内側から元気づけてくれる楽曲だと思います。
■とにもかくにも、聴きやすい!マジで。
なんせ、このアルバムの一番の武器は、クセのなさと、ビシッとまとまったアンサンブル、そして美メロです。とにもかくにも、聴きやすい、です(ここは本当に推したい)。
洋楽が苦手な方でも触れやすい一枚になってますので、ぜひ!
★この記事で紹介した楽曲はこちら。
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