いまは、「待ち合わせ」の途中。
plenty/plenty 2012年2月15日
はじまりの吟
普通の生活
待ち合わせの途中
人との距離のはかりかた
おりこうさん
人間そっくり
空が笑ってる
スローモーションピクチャー
あいという
砂のよう
風の吹く町
蒼き日々
彼らに出会ったとき、一聴して即買いでした。(即買いしたのは1stの「拝啓。皆さま」)
一番の特徴は、なんといってもVo/Gt.の江沼郁弥の美しくも折れそうなハイトーンと、ポストロックのような変則的なリズムセクション、そして、誰もが一度は抱えたことのある「心の葛藤」を「そのまま」歌詞にしてるところが生々しくていいなぁ…と思います。
だけど、決してそのうまくいかなさに「拗ねたまま」終わるんじゃなくて、希望を持たせてくれているところがいいなぁ、と思うんですよね。
中でも、美しいメロディーと葛藤しながらも前を向く、そんな真摯な姿勢がまっすぐ現れているのがこの曲だと思うんです。
■今はきっと、待ち合わせの途中。
何をして来たのだろう 何と向きあえたのだろう
どこにも行けないままで 約束だけ探してた誰かがそうどこかで 僕のことを待ってる
あの日が呼んでいる 今はきっと待ち合わせの途中(待ち合わせの途中/plenty)
色々と手を尽くしてきたけれど、ムダになっちゃうこととか、あるじゃないですか。その結果、どうしてもやってきたことに意味があるのかとか馬鹿らしくなって、すべてを投げたくなること、あるじゃないですか。
でも、そんなときでも、「どこかで、誰かが」待ってるんやんな、ってことを思い起こさせてくれるんですよね。そうすれば、もう一回動き出すためのエネルギーが湧いてくるんですよね。
その繰り返しをしながらも、このアルバムの最後のトラック「蒼き日々」のラストサビ前にはこう歌われています。
どこでも行けると信じてたなら
どこにも行けないはずはない(蒼き日々/plenty)
つまづいたって、動こうと思えば、また動いていけるんですよね。
■葛藤からの希望を描いた珠玉の楽曲群。
このアルバムは、そんな葛藤からの希望を描いた珠玉の楽曲群です。
先行シングルである「人との距離のはかりかた」「人間そっくり」など、素晴らしい楽曲揃いです。
まっすぐな声とビシッとした正直なメッセージゆえに、刺さりすぎる方もいるかと思います。ですが、この言葉が描いてくる現実に向き合えたとき、間違いなく人生がグッと前に進むきっかけにはなると思います。