心にかかる、「星虹」。
starbow/dustbox 2010年11月3日
New Cosmos
Break Through
One & Only
You'll Never Be All Alone
Thrill
Don't Regret, Never Trying
Runaway Train
Hiding Place
Daydream
Hate Hate Hate
Never Ending Dream
Tears Of Joy
メロコアを聴き始めてから、早15年…いろいろなメロコア聴きましたけど、やはりdustboxは非常に強力ですね。曲が基本的に短いのもあるとはいえ、どのアルバムも再生回数は平均しても40回ぐらいはあって、まさに「ヘビロテ」しているって状態です。
しかし、このアルバムは本当に、ものすごく元気の出る一枚です。チャレンジして失敗してコケて、それでもあきらめずに這い上がってきらめく「星虹(starbow)」へとたどり着くっていう、ストーリー性のあるメッセージの繋がりもいい一枚になっています。
それでは、そのストーリーの流れに沿って3曲、ご紹介していきたいと思います。
■何度でも不安の壁を壊せ!
こちらは、チャレンジ前の恐怖を打ち破れ!何度でも不安の壁を壊せ!ってメッセージを、爆走する勢いに乗せて伝えてくれる応援ソングです。
壊せ 不安の壁
何度でも壊せ
壊せ 不安の壁
僕は前に進まなきゃ
新しい物語はその壁の向こう側にあるんだ
さあ行こう 僕が突破口になってやる(Break Through(訳)/dustbox)
この歌詞のいいところは、頑張れ!って言いっぱなしではなく、「オレがやる!」と突破口宣言までなされているところですよね。チャレンジをただ「させられる」んじゃなくて、自分自身も「やる」っていう姿勢が感じられますから、説得力が段違いだと思いますね。
突き抜けていくサウンドも相まって、やる気をみなぎらせてくれる、そんな一曲だと思います。
■「チャレンジの裏側」の苦悩…
こちらは、チャレンジにおける「止めときな」「どうせ失敗する」っていう言葉を振り切っては来たものの、大きく躓いてしまったという挫折感が楽曲にしたためられています。
※ちなみに、「止めときな」を振り切る流れはこの曲の前の2曲で歌われています。
この突っ走ってきた流れが止まってしまったショックが、素直な言葉でダイレクトにつづられているんですよね。
現実という波に流されて
痛みを鎮めるためにそれを受け入れた
矛先を失った僕の怒りは
大切な人を傷つけるトゲになったいつからだろう
何が嘘で何が本当なのかわからなくなってしまったよ
夢や希望というきれいなものを僕は拒絶してる(Hiding Place(訳)/dustbox)
夢や希望ばかりを押し付けるような音楽も少なくない中、こうやってダークな面も正直に語ることができるってところがカッコいいと思いますし、「厚み」に繋がっているのかな、と思いますね。
「陰」の部分を担う、当アルバムにおいて非常に大切な一曲だと思います。
■コケてなお語ることのできる「夢」と、絵空事止まりの「夢」では強度が違う。
アルバムの最後を飾る、キラキラ星が輝くようなハッピーエンドが描かれている楽曲。ストーリーとしてはベタなのかもしれないですけど、やっぱりこういうV字的な流れって心の満たされ度合い大きいですよね。
その満たされ度合いは歌詞にも存分に表れていて、アルバムの今までの流れがきっちり総括されたモノになっています。
10年前 僕は君に言ったね 必ず夢を掴んでみせると
誰かさんは無理だと笑って 悔しい思いをしたな
でも僕が言う夢のような話に
君は無理という言葉を1度も言わなかった
いつでも僕の味方でいてくれたね
だから僕はあきらめずにいられたんだ何かを失うたびに 君は新しい希望を僕にくれた
あの失敗も 迷って頭を抱えた日々も
すべては無駄じゃなかった(Tears Of Joy(訳)/dustbox)
やっぱり、コケてなお語ることのできる「夢」と、絵空事止まりの「夢」では強度が違うよな、って思うんですよね。
もっというと、コケたらすぐ止めてしまうようなのって、夢じゃないんやと思うんですよね。何があっても、やりたいのか?そういう姿勢はあるの?っていうことをこの一枚を通して問われているのかな、っていうメッセージも、深読み気味ではありますが私は受け取りました。
突破口になって道を開いてきてくれたからこそ、チャレンジングな気持ちをもう一度奮い立たせてみよう。そんな気持ちにさせてくれる楽曲だと思います。
■メロコアに対して「粗野」とか思っている人に聴いてみてほしい。
敢えて今回は歌詞のメッセージ性に焦点を当ててお話ししたんですが、演奏面は言うまでもなく凄まじいです。特にREIJI氏のドラミングはハンパやないです。メロコアはビートの縛りがキツイジャンル(どうしてもツービート主体になりがち)なので単調になりやすい(どの曲も同じに聴こえる)っていうことを言う人も多いんですけど、その弱点をカバーリング出来るほどのカラフルかつ安定度の高いテクニックをバンバン見せてくれます。
ほんで、メロディーも半端じゃなく綺麗です。そこらへんのポップスより、メロディー美しいと思いますよ、マジで。特に、メロコアに対して「粗野」とか思っている人に聴いてみてほしいと思いますね。ホント、美しい作品ですから。
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