いちいち、音楽を考える。

音楽はフィーリングも大事だけど、いちいち考えてみたくなるんです。

情念を内に秘めた「奥ゆかしい」ロックンロール。(Triangle below canal street/Triangle below canal street)

燃えるような、愛のロックンロール。

 

Triangle below canal street/Triangle below canal street 2002年8月21日

Baby Driver
Ghost Train
「イノチのコトバ」
CRAZY
フレア
Mr.R
最後のわがまま
No Spirit
Triangle below canal street club band (Ver.1.12)
月にお願い
Double Face
Superb Bang!!!
Light and Shadow
Shades Of Love

彼女たちとの出会いはMBS系の深夜番組「MUSIC EDGE」の期待のアーティストを紹介するコーナーにて。もう、一聴した瞬間「絶対に売れる!」って思ったんですよね。カッコいい!ってシンプルな感情だけが湧いてきたんでね。

ところが、その予想に反し、全くと言っていいほどセールスは振るわず、ボーカル・クボナツコ氏の体調不良も重なり、フェードアウトするような形で解散。(ギターのCOZZi氏はプロデューサーとして活躍中。)このころも、まだ私には「タワレコ」などの購買チャネルは存在しなかったので、あの曲カッコよかったよなぁ…とか思いながら、ずーっと聴けずじまいのまま、10年を超える月日が経ったんですよね。こういうの、私すごく多かったんですよね。先日のこの記事でもこういう話ししましたしね。

★参考記事

musictherapy.hateblo.jp

そして去年の12月。実に、作品の発売から13年の月日を経て、アマゾンやらをようやく利用するようになったときに、発見。即購入しました。

もしかしたら、思い出に美化されて、実際はそこまで…とかいう気持ちも一瞬過ぎりましたけど、そんなもん瞬殺でぶっ飛ばされましたね。そんな本格派ロックンロールをお楽しみください。

■「軽快」と「重厚」を両立させるところが「CRAZY」。

※ほんと、映像が見つからなかったのが惜しい…

CRAZY

CRAZY

  • Triangle below canal street (トライベッカ)
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

チョーキングで押すギターリフに加え、ドラムのパワーがいきなり「ドンっ!」とかかってくるんですよね。このイントロめっちゃ好き。

ロックンロールの上にハードロックのフィーリングも乗っかったような、軽快さと重厚さっていう矛盾するかのような要素をうまくかみ合わせています。(ちなみに、当楽曲のドラムはかの有名な河村カースケ氏。)

そして、このカッコいい楽曲に乗っかっているのが、クボ氏の情念のようなダイレクトな歌詞。

U are crazy 優柔不断はbad dream
強迫観念みたいなpride
I am lazy 決断はice cream
情緒不安定になったみたい…

(CRAZY/Triangle below canal street)

モヤモヤした心を、ダイレクトに「情緒不安定」と言い切るところが潔いなって思うんですよね。ウソがないところがステキ。楽曲がドロドロしていないので、必要以上に言葉が入ってき過ぎることもなく、ナイスバランスだと思います。ここでも「軽」と「重」を巧みに扱えてますよね。

シンプルに、カッコイイ楽曲だと思います。

■情念を内に秘める「奥ゆかしさ」の影。

※これまた、映像ナシ…

Shades Of Love

Shades Of Love

  • Triangle below canal street (トライベッカ)
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

この曲のサビに触れたのが最初の出会い。クボナツコ氏のしゃがれたボーカルに、当時中坊だった私には「大人のお姉さん」的な憧れもありましたよね。それこそ、恋のようなフィーリングですよね。

それはさておき、この曲ではさらに情念が大爆発しています。

Do you know the lonely shade of love?
まだ逃げるの? そうなの?
I just feel lonely and cry for you いつまでも終わらない
君の手のchoice 答えはfake I know a lie's in your eyes
「アイシテル。ズット。」

(Shades Of Love/Triangle below canal street)

怖いっすよね、ここまで来ると。男としてはね。Gメンのような追い込みっぷり。そら逃げるわい、っていうね。

ただ、この曲のすごいところは、一聴しただけではそのフィーリングが「残らない」ところなんですよね。やっぱり、この「念」が一番目立ってしまうと「ロック」として「カッコよくはない」と私は思うんですよね。(一番目立っているのはサッと口ずさめるメロディーの美しさだと思います。)聴き手に余分なフィーリングを押し付けてしまう、と言いますかね。私はいわば「歌詞を、読みこもうとする作業」を通じて初めて、この曲の歌詞を認知したわけです。自分から「歌詞読むぞ!」って形で近づく、っていう言わば「自己責任」を受け止めた上で歌詞を理解しようとしたからこそ、「楽曲のロックさの中に内包されている情念」という形で驚くことができたんですよね。

思うところはあれど、あくまでルックスは凜と。胸のうちは、近づいてきてくれる人が知ればいい。そんな「奥ゆかしさ」の影を感じる楽曲ですね。

■マジな話、今ならフツーに売れる一枚。

なかなか映像がなかったりで、この2曲(シングル曲)を取り上げましたけど、美しさと荒々しさの同居したアコースティックサウンドとの絡み(「Ghost Train」「フレア」「月にお願い」など)もカッコよく、アレンジも非常に凝っていて、ずっと聴きこめる一枚だと思います。

マジな話、今ならフツーに売れると思うんですけどねぇ…

 

★この記事で紹介した楽曲はこちら。

<アルバム>

Triangle below canal street

Triangle below canal street

 

<楽曲>

CRAZY

CRAZY

  • Triangle below canal street (トライベッカ)
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
Shades Of Love

Shades Of Love

  • Triangle below canal street (トライベッカ)
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes