いちいち、音楽を考える。

音楽はフィーリングも大事だけど、いちいち考えてみたくなるんです。

「命をかけて」生きることが素晴らしい。(感受性応答セヨ/eastern youth)

私の「感受性」が目を覚ました一枚。

 

感受性応答セヨ/eastern youth 2001年8月8日

夜明けの歌
アバヨ、風の残像
スローモーション
黒い太陽
踵鳴る
静寂が燃える
二月はビニール傘の中
青の風景
ズッコケ問答
素晴らしい世界

イースタンユースとの出会いは、自己紹介での記事でも書きましたけど、CSで見たのがきっかけ。

musictherapy.hateblo.jp

で、先日お話ししたブラフマンと同様に、受け付けなかったんですよね。がなりたてる歌い方なんて…みたいな保守的な発想を持っていましたから。ところが、ブラフマンを聴き続けるうちに私の中のロックが覚醒したと同時に、彼らに対する見方もがらりと変わっていったんですよね。

このほとばしるエネルギーは、間違いなく何かを訴えかけているはずだ。

無意識にではありますけど、こういう確信があったんだと思うんですよね。今思えば、私の中の「感受性」が応答していたんだと思います。その中でも、この曲を聴いたときの「目覚めた!」という感覚は半端ではなかったのを思い出します…

■何をかは分からないけれど、間違いないと確信した一曲。

 

もう、イントロがすごいですよね。

爆走するような疾走感にあふれていて、血がほとばしる感覚を味わえますよね。この曲で「間違いない」と確信したんですよね。何をかは分からないですが、間違いない、と。それぐらい有無を言わさぬ迫力がありますね。

で、昭和の文学的な日本語らしい歌詞も彼らの魅力。

行けば帰らざる雲が行きゃ
俺は口笛を吹きまくるさ
解答は知らない そうさ 教典はいらない
歩く踵がそれを識るだろう
朝の地鳴りが告げるだろう

(踵鳴る/eastern youth)

 なんというか、「戦前」のような香りがしますよね。田舎の空を見上げながら、自分自身の生く道はわからないけれど、踵の向く先、お天道様が告げるところにいくだけ、という、ロマンあふれる情景が浮かんできますよね。

感情がググッと動く、名曲だと思います。

踵鳴る

踵鳴る

  • eastern youth
  • オルタナティブ
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

■朝は、誰の元にもやってくる。

 

この曲からアルバムが始まるんですけど、ホントコードを鳴らした瞬間に「ピリッと」した空気が出来上がりますよね。このエネルギーの漲り方、類を見ないものだと思います。

ほんで、この曲も歌詞がたまらんですね。

夜が明ける
悲しみを笑い飛ばして
夜が明ける

朝が来る
甘い夢叩き壊して
朝が来る

逃げても逃げても逃げても
朝が来る
涙よ止まれよ今直ぐ
もう朝だから

(夜明けの歌/eastern youth)

誰にも彼にも平等に訪れる朝。ムカついた夜、悲しみの夜、そして夢想にふけっていた現実離れした夜。すべてを叩き壊して平等に訪れる朝。逃げたって逃げたって、朝はやってくる。

そこに絶望するんじゃなくて、朝がやってきたのだから、涙にくれるのではなく生きていこう、っていう前向きなメッセージも込められていると私は思いますね。

もう一度立ち上がるための一曲、って言葉がぴったりくる楽曲だと思いますね。

夜明けの歌

夜明けの歌

  • eastern youth
  • オルタナティブ
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

■「命をかけて」生きることが素晴らしい。

 

この曲でアルバムは締められるんですが…ホント、ピッタリくる一曲だと思います。

美しいですよね。光も影も、酸いも甘いも呑みこんで生きる、ってことが全体を通して送られてくるメッセージだと思うんですけど、その集大成と言えるぐらいのまるで「オーケストラ」かのようなサウンドの壮大な拡がりが感受性を揺さぶる一曲です。

命かけて笑えるなら 素晴らしい世界
命かけて泣けるなら 素晴らしい世界
君は背中に羽根を生やして 何処へでも飛んでけ
街が季節を飲み干す様に 過ぎし日を飲み干せ
朝に、夜に、弾んでいけよ

命かけて走れるなら 素晴らしい世界
命かけて立ち止まるなら 素晴らしい世界
青い窓開け放て 風の色が見えるだろ?

(素晴らしい世界/eastern youth)

吉野寿(Vo./Gt)の姿勢は、まさに命をかけているものですよね。喉がちぎれても構わない、というぐらいに命を爆発させてますし。だからこそ、「命かけて」っていう言葉が上滑りすることなく、ダイレクトにガツンと入ってきますよね。なんせ、命をかけて生きることが素晴らしいっていう、歓びにもあふれた一曲ですよね。

素晴らしい世界

素晴らしい世界

  • eastern youth
  • オルタナティブ
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

■生きることの素晴らしさを、命をかけて教えてくれる作品。

このアルバムは、生きることがしんどい…って思ったときに聴いてみてほしいと思いますね。光と影を抱えながら、命をかけて生きることの素晴らしさを、文字通り「命をかけて」、私たちの「感受性」に訴えかけてくる作品だと思います。

 

★この記事で紹介した楽曲はこちら。

<アルバム>

感受性応答セヨ

感受性応答セヨ

  • eastern youth
  • オルタナティブ
  • ¥2000

<楽曲>

踵鳴る

踵鳴る

  • eastern youth
  • オルタナティブ
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 

夜明けの歌

夜明けの歌

  • eastern youth
  • オルタナティブ
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 

素晴らしい世界

素晴らしい世界

  • eastern youth
  • オルタナティブ
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes