いちいち、音楽を考える。

音楽はフィーリングも大事だけど、いちいち考えてみたくなるんです。

購入物・ピックアップレビュー

購入物・もしくはそれに準ずるピックアップ作品についてのレビューです。長尺のレビューは当カテゴリに多め。

シフォンのような危うさに、好奇心がからめとられる…【シフォン主義/相対性理論(2008)】

2000年代後半の日本のインディーズロックシーンに突如現れ、またたく間に席巻したバンド・相対性理論が2008年に発表した自主制作の1stミニアルバム『シフォン主義』をレビュー。当時タワーレコードの試聴機で聴いて衝撃を受け、即買いしたリアルタイムの記憶…

ミュージカルを観たような気分。芸術性も平易性も両立。【Funeral/Arcade Fire(2004)】

カナダを代表するインディーロックバンド、アーケイド・ファイアの金字塔となった1stアルバム『Funeral』をレビュー。大学時代の衝撃的な出会いから、楽隊のような特異な編成、そして「喜怒哀楽」がすべて詰まった劇的な楽曲展開を紐解きます。家族の死とい…

もっと来いよ、みたいな気持ちが続きがちに…【When You See Yourself/Kings Of Leon(2021)】

テネシーのロックバンド、キングス・オブ・レオンの8thアルバム『When You See Yourself』をレビュー。4年半ぶりのリリースゆえに期待が高まる中、全体的に地味でフックに欠ける作風に「もっと来いよ」ともどかしさを感じた当初のリスニング体験を率直に綴り…

聴く者の”冒険心”は裏切らない作品。【URUSA IN JAPAN/あふりらんぽ(2005)】

あふりらんぽのメジャーデビューアルバム『URUSA IN JAPAN』(2005年作)をレビュー。強烈なノイズと咆哮、剥き出しの呪術的衝動で圧倒する本作の魅力を紐解きます。一見すると人を激しく選ぶアヴァンギャルドな作風でありながら、その根底にあるのはブルー…

ギターリフをみんなが一緒に歌ってる。そんな曲そうそうない。【Elephant/The White Stripes(2003)】

デトロイトのロックデュオ、ザ・ホワイト・ストライプスが2003年に発表したガレージロックの金字塔『Elephant』をレビュー。筆者がティーン時代にリアルタイムで衝撃を受けた洋楽との出会いを振り返ります。世界中のライブ会場で観客がリフを大合唱する歴史…

ダンスホールに衝突事故のように飛ばされて、もう踊るしかない。【You're A Woman, I'm A Machine/Death From Above 1979(2004)】

カナダのロックデュオ、デス・フロム・アバヴ 1979(Death From Above 1979)が2004年に発表した衝撃の1stアルバム『You're A Woman, I'm A Machine』をレビュー。猛烈なグリッサンド音から暴走するビートへと繋がる「Turn It Out」から、代表曲「Romantic R…

”素直なサイドの”中二の心を思い出して…【Does This Look Infected?/Sum 41(2002)】

カナダを代表するポップパンクバンド、Sum 41の大出世作『Does This Look Infected?』をレビュー。「The Hell Song」に代表されるメタル直系のリフとキャッチーなメロディは、まさに「中二心」をくすぐる普遍的な魅力に満ちています。かつて反抗心から素直に…

鎮静というより、内部覚醒体験。【Ambient 3: Day of Radiance/Laraaji(1980)】

ブライアン・イーノのアンビエントシリーズ第3弾、ララージの『Ambient 3: Day of Radiance』をレビュー。ハンマーダルシマーが奏でるガムラン調の華やかな響きと、瞑想的な静寂が同居する唯一無二の一枚。単なる「鎮静」を超え、内側から意識を覚醒させるよ…

覚えきってしまわない、優しい時間が流れる。【Modal Soul/Nujabes(2005)】

日本を代表するローファイ・ヒップホップの先駆者、Nujabesの2ndアルバム『Modal Soul』をレビュー。ジャジーで美しい旋律と、一生懸命聴かなくても心地よく流れる「優しい時間」の魅力を紐解きます。発表から約20年が経った今も全く色褪せない、抽象的で奥…

ハイファイを行ききった時代に現れた、ロックンロールの救世主。【Is This It/The Strokes(2001)】

ザ・ストロークスの伝説的デビュー作『Is This It』をレビュー。ハイファイな音作りが主流だった時代に、シンプルで「けだるい」隙間のあるサウンドで現れたロックンロールの救世主。名曲「Someday」や「Last Nite」が持つ、余裕と優雅さを備えた色気の正体…

一度諦めた時に、一枚画のようにアルバムが繋がりだした。【Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band/The Beatles(1967)】

ビートルズの歴史的傑作『サージェント・ペパーズ』をレビュー。かつて「不気味さ」に壁を感じていた筆者が、いかにしてこのサイケデリックな名盤の面白さに目覚めたのか。一生懸命聴くのを一度諦めた時、曲の境界線が融け、アルバムが一枚画のように繋がり…

ストレートにロックしながら、実は非凡な実験性も…【さよならストレンジャー/くるり(1999)】

くるりの衝撃的な1stアルバム『さよならストレンジャー』をレビュー。「ストレートなロック」と「非凡な実験性」が同居する本作。名曲「東京」や「虹」の輝き、そして大学時代のコピバン経験で気づかされた「オールドタイマー」の説得力。なぜ彼らが第一線を…

250万枚。顧客満足度の鬼と言っても過言ではない作品。【Young Love/サザンオールスターズ(1996)】

サザンオールスターズの金字塔、12thアルバム『Young Love』をレビュー。かつてサザンに苦手意識を持っていた筆者が、全枚制覇を決意するきっかけとなった本作の魅力を解説。『愛の言霊』など多彩な楽曲が織りなす「顧客満足度の鬼」とも言える圧倒的な構成…

これを聴きながらドライブするのは危険。曲がもはやカースタント。【Vol.II/Angine de Poitrine(2026)】

フジロック出演で話題のカナダ発・覆面ユニット、Angine de Poitrineの2ndアルバム『Vol.II』を全曲レビュー。ディスコハウスから高速フォークダンス、さらにはブラック・サバス的な重厚さまで。インストロックの枠を超えた「カースタント級」のスリリングな…

躁状態で、フルアルバムのようにドライブする。【Kranke/Syrup16g(2015)】

syrup16gの2ndミニアルバム『Kranke』をレビュー。再結成後のボロボロな姿を見せた前作『Hurt』から一転、躁状態のような無敵のバンドアンサンブルで猛烈にドライブする本作の魅力を解説します。「冷たい掌」の衝撃から、自身の境遇を投影したような「To be …

ルーツロック味を、損ねないままメガヒット…【Superfly/Superfly(2008)】

Superflyの衝撃的な1stアルバム『Superfly』をレビュー。「愛をこめて花束を」などの特大ヒット曲を含みつつ、ブラスロックからゴスペルまで多彩な音楽性を提示した本作。ルーツロックの渋みや熱量を損なうことなく、圧倒的なポップさでオリコン1位を記録し…

”完全に離れたリスナー”を引き戻すレベルの猛烈な引力。【Rockin' Luuula/MO'SOME TONEBENDER(2005)】

MO'SOME TONEBENDERの9thアルバム『Rockin' Luuula』をレビュー。かつてそのリスナーから一度完全に離れてしまった筆者が、再びリスナーへと引き戻された記念碑的な一冊。衝撃的なギターリフが炸裂する表題曲「ロッキンルーラ」や、圧倒的なキャッチーさを誇…

頭空っぽにして、楽しくロックンロールする。それだけでいい。【Get Born/JET(2003)】

2000年代ガレージロック・リバイバルの旗手、JETの衝撃的なデビュー作『Get Born』をピックアップ。iPodのCMで世界中を席巻した「Are You Gonna Be My Girl」の圧倒的なキャッチーさと、理屈抜きに体が動くロックンロールの快感を綴ります。小難しいことは抜…

全体に漂うゆとり・余裕・自然体。【LOVE ALL SERVE ALL/藤井風(2022)】

日本を代表するシンガーソングライター・藤井風の2ndアルバム『LOVE ALL SERVE ALL』をレビュー。「きらり」「まつり」といった名曲たちが並ぶ中、特筆すべきはアルバム全体に漂う「ゆとり」と「余裕」。サブスク時代にあえてアルバムとして聴く価値、R&B・A…

これを完全にひとりでやり切ったとは…【Unknown Mortal Orchestra/Unknown Mortal Orchestra(2011)】

ニュージーランド出身の才人、ルバン・ニールソン率いるUnknown Mortal Orchestraの衝撃の1stアルバムをレビュー。全パートを完全にひとりでこなしたとは思えないバンドグルーヴと、懐かしさと新しさが同居するサイケデリックな音像を紐解きます。Bandcampへ…

こんな声で歌ってみてぇよ…【Hybrid Theory/Linkin Park(2000)】

2000年代ミクスチャー・ロックの覇権を決定づけたリンキン・パークの衝撃的デビュー作『Hybrid Theory』をレビュー。3,000万枚を超える驚異的なセールスの背景にある、圧倒的な「わかりやすさ」と「カッコよさ」を紐解きます。故チェスター・ベニントンの魂…

空洞の部分に本来あるはずの、空気がみっちり詰まっている。【空洞です/ゆらゆら帝国(2007)】

ゆらゆら帝国のラストアルバム『空洞です』をレビュー。「完全に出来上がってしまった」として解散を決断させた本作の、圧倒的な完成度と説得力に迫ります。タイトル通り「空洞」をテーマにしながらも、そこにあるはずの空気がみっちりと詰まったような独自…

ハードコアと、清らかな民族美の中道を。【THE MIDDLE WAY/BRAHMAN(2004)】

日本を代表するハードコア・パンクバンド、BRAHMANの3rdアルバム『THE MIDDLE WAY』をレビュー。高校生の頃には咀嚼しきれなかった「穏やかさ」や「民族調の美しさ」が、アラフォーになった今、いかに深い魅力として響くのかを綴ります。激しいパンク魂と清…

不穏が目覚めて、一気に心臓がドライブしてしまうスリル。【Vol.1/Angine de Poitrine(2024)】

カナダの注目のポストロックユニット、Angine de Poitrine(アンジーヌ・ド・ポアトリーヌ)の1st EP『Vol.1』をレビュー。ライブレポでも触れた二人組による精緻なアンサンブルと、バンド名が示す「狭心症」のような不穏かつスリリングなビートを考察。ワク…

過去にケリをつけ、清算できたことに意味がある。【delaidback/syrup16g(2017)】

syrup16gが2017年に発表した10thアルバム『delaidback』をレビュー。五十嵐隆のソロプロジェクト『犬が吠える』時代の楽曲を蔵出しし、完成させた本作が持つ「過去の清算」としての意味を考察。生々しい楽曲群や、長年待ち望んだ「赤いカラス」の音源化など…

枯れ果てるほどに、重ねられた執念の凝集。【Punch Drunkard/THE YELLOW MONKEY(1998)】

THE YELLOW MONKEYの7thアルバム『Punch Drunkard』を徹底レビュー。ダブルプラチナを記録した大ヒット作ながら、その実態は「焦げ付く寸前まで煮詰められた」ような、圧倒的な濃度と執念が凝縮されたサウンドです。名バラード『球根』から、性急なロックン…

静かな狂気の中を、こだまする現在進行形のグルーヴ。【ヤッホー/坂本慎太郎(2026)】

坂本慎太郎のソロ5thアルバム『ヤッホー』を最速レビュー。一周目で思わず笑ってしまうほど「スパーンと届く」歌詞の衝撃と、ゆらゆら帝国『空洞です』以降の静かな狂気を磨き上げたミニマルなグルーヴ。削ぎ落とされた音の中に宿る、現在進行形の強固な音楽…

修羅の国からやってきた、刹那を駆け抜ける侍。【SUBTERRANEAN ROMANCE/DOES(2007)】

アニメ『銀魂』のエンディングテーマとして爆発的ヒットを記録した「修羅」を収録する、DOESの2ndアルバム『SUBTERRANEAN ROMANCE』をレビュー。タイアップの華やかさに媚びない、スリーピースならではの無駄を削ぎ落とした硬派なロックサウンドが魅力です。…

超強いシングルたちで、逃げ切れるか…【Fallen/Evanescence(2003)】

エヴァネッセンスの歴史的デビュー作『Fallen』をレビュー。1曲目から4曲目までに凝縮された「超強力なシングル」のインパクトと、ゴシック・メタルの枠を超えて世界を席巻したサウンドの魅力を解説。シングルが強すぎるがゆえのアルバム構成の難しさについ…

”過激”より前に、音がかっこいいと思えたなら…【Rage Against The Machine/Rage Against The Machine(1992)】

ミクスチャー・ロックの金字塔、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの1stアルバムをレビュー。過激なメッセージや背景以上に、トム・モレロのキャッチーなギターリフや圧倒的なグルーヴが放つ「純粋な音のかっこよさ」を解説。先入観を捨てて聴くべき、唯一…