こんばんは。キタダハルキです。
今日もまた、書き溜めをしている作業中(これを書いているのは木曜日)なんですが…皆様はいかがお過ごしでしょうか。
さて、それでは今日のTSUTAYA DISCAS日記、やっていきたいと思います。
今日のキーワードは…【高い物語性と、重さを感じさせないコミカルさ】。
それではレビューしていきたいと思います。
■サーカス団パノラマ島へ帰る/筋肉少女帯(1990)
作家でもある大槻ケンヂ率いるメタルバンド・筋肉少女帯の4thアルバムです。
なんといっても際立つのは…やはり上記『元祖 高木ブー伝説(M-12)』。
いたずらやガチの事務所NGの憂き目に遭い*1、それでもほかならぬ高木ブー本人の器のデカさでリリースにこぎつけられたのは改めて大きいですよね。筆者もこの曲のおかげで彼らを把握したんでね。
さて、その高木ブー伝説以外のところに目を向けると…演奏はもうガチガチのメタルバンドなのでプログレッシブな展開もお手の物*2ではあるんですが…やはり小説家としても活躍しているだけあって、歌詞を読むだけで物語性があるんですよね。
戦争で変わってしまった友人を描いた『ビッキー・ホリディの唄(M-2)』、オウム真理教が事件を起こす前から洞察していたのでは?とされる『詩人オウムの世界(M-3)』、プロレタリア文学をインダストリアル調で鳴らす『労働者M(M-4)』など、詞を読むだけでもショートを読んだような満足感があるんですよね。
ただ、これだけだと重たい社会派バンド、ってなって敬遠してしまいがちにもなるところだと思うんですけど、そこは大槻ケンヂのコミカルなキャラクター性も相まって、気楽に楽しく聴けるんですよね。マークボランの言うことにゃ、と歌詞の中で高らかに歌われるけど、そのあとに続く内容…別にたぶんマークボラン言うてないで、とされる『電波Boogie(M-7)』とか、聴いてて楽しいですもんね。
もっとも、本人たちとしてはスケジュールが忙しい中だったようで、あんまり思い入れはない…みたいなことがwikiに載っていましたけど、それでも十分すぎるぐらいにエネルギーの乗っている作品だと思いますし、お薦めできる作品です。
■終わりに:色物属性はあれども…
レビューは以上になりますが…
実は筆者は最近までベスト盤しか聴いてなくて、スタジオ盤との比較ができないんですけども…今作は十分に物語性・コンセプト性があってアルバムとしての完成度は高いと思います。
色物属性もありますけど、それでもまずは聴いてみてほしい、って思わせてくれるバンドですよね。
それでは、今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
もし気に入っていただけましたら、もう一記事、読んでいただけると嬉しいです。
★関連(個人的お勧め含む)作品・記事
↓歌唱力よりも、歌には大事なものがあるんじゃないかと思って書いた記事です。当作品収録の『元祖 高木ブー伝説』を足掛かりに、大槻ケンヂの歌の説得性・歌心について言及しています。
↓上記記事で私は大槻ケンヂを「日本のオジー・オズボーン」と称したんですが、そのゴシック性と技術だけではないどこかコミカルな匂い・人を惹きつけるカリスマ性を感じたきっかけが以下のアルバムです。
※前回の当カテゴリの記事はこちら。アートとしても渋さ・円熟味を感じさせるCD2枚組の大ボリューム作品。その圧倒的質量ながら飽きずに聴き切れるツェッペリンの名盤です。

