こんばんは。キタダハルキです。
さて、突然ですが…
ブレンダン・ベンソンって、めっちゃよくないですか?
…え、ご存じない?あのジャック・ホワイト(The White Stripes)のお友達としても知られている…
はい、茶番はこんなもんにしましょう。
検索でこのページにたどり着いてくれた、という方以外はおそらく「知らない」であろう、ブレンダン・ベンソンについて、今日はお話ししたいんです。
おそらくは、ブレンダン・ベンソンの知名度の現状としては仮に名前を聞いたことがあったとしても上記の「ジャック・ホワイトの友達」というイメージしかない方がほとんどなんじゃないかと。そのジャック・ホワイトと結成したバンドであるラカンターズではセールスとして一定の成功*1を収めましたしね。ラカンターズも本当に素晴らしいバンドです。
だけれども、ブレンダン・ベンソン個人としては「日本語版wiki」すらないのが現状。ソロでアルバム7枚も出しているにも関わらず。
それこそ英語版のwikiでもディスコグラフィーのまとめページがないんです。ソロだとチャートインするかどうかギリギリのセールスなのもあるんでしょうけども。
だからこそ、もっと私としてはブレンダン・ベンソンの良さをアピールしていきたい。
ということで、今日はその推しポイントをお話ししていきたいと思います。
■その1.ポップだけど、ほんのり暗いところ。
いきなりなにを言うてるのかと思われるかもしれませんが…
これってすごい貴重な特徴だと思っていて。
こと「ポップ」となると、どうしても代償として「明るく、健全臭」が出てしまって、聞く身としてもしんどくなって、なんならアーティスト自身が潰れるようなパターンを結構目にするんですよね。
ただ一方で、暗いとなるとそのイメージ通り、聴きにくさが先行してしまってどうしても「タイミングを選ぶ」感じになってなかなか食指が伸びない…ってなりやすいというか。
ブレンダン・ベンソンは、そのちょうど隙間を縫ってくれていると私は思うんですね。
2ndアルバムの「Lapalco」にライナーノーツが入っていて、そこには今までの生い立ちとかも書いてくれていて(日本で情報を集めにくいアーティストだけにほんとありがたい!)そこで知ったのは、7歳のときに父を亡くし、高校卒業後にLAでバンド活動をするも鳴かず飛ばず、そして苦労の末につかんだデビューもセールスの大コケで1枚で契約を切られ…という、数多の傷を負ってなお立ち上がって…という経緯があるんですよね。
だからこそ、ポップという絵空事にごまかされない生々しさが音に宿っているんじゃないか、と思うんですよね。その生々しさに、私は安心感があるんですよね。
■その2.音に対するイメージの幅がある。
ブレンダン・ベンソンの推しポイントその2は…
音のイメージの幅が広いところ。
しつこくならん程度に3つほど並べておきます…。
作り分け、結構なされていると思うんですよね。似てそうで似ていないというか。
ちなみに「Good To Me」は盟友のジャック・ホワイトもカバーしてますからね*2。
ホーンアレンジを加えたような楽曲だったり、かと思えばギター一本、っていうような曲もあったりと…ただ、そのどれもが「やってみた感」はなく、きちんと昇華されていて味があっていいんですよね*3。
この辺は、1stの商業的失敗から地元であるデトロイトに戻りスタジオを作り、地元のバンドをプロデュースして…という形でエンジニアとしての経験を積み重ねていったのが活きているのかなと思います。
■その3.ゆっくりと活動するスタイル。
ブレンダン・ベンソンは、先述の通り一度LAでのメジャーデビューの失敗で挫折してるんですよね。そのあと地元に帰ってマイペースに活動するんですが…LAでの失敗時に本人がイヤだなぁと思ったことは「売れるために音楽関係者とうんぬんかんぬん、ということに時間を費やすようなLAシーンの空気」だったそうで。
そのこともあってか、リリースペースもゆっくり目。25年のキャリアでソロでは7枚と決して多作ではないですが、どのアルバムにも通底して思うのが…「あぁ、やりたいようにやってるなー」という感じ。
やっぱり、リスナーとして一番悲しいのが「これ、ほんまにやりたかったんかなぁ…?」って疑問に思ってしまうような出来の作品を聞いたときなんですよね。だったら、時間かかってもいいから納得した出来のものを出してほしい、って思うんですよね。
ブレンダン・ベンソンは、そういう意味で幸せなキャリアへと舵を切れたアーティストなんじゃないか、と思います。
■まとめ:これからも息長く…。
…と、こんな感じでお話ししてきたんですが…
やっぱり、潰れずに息長く、やってほしいってファンとしては思うんですよね。
もちろん一瞬の輝きもそれはそれでアーティスト、ですけど、やっぱり新しい作品をいいクオリティで長く楽しめるのはとても嬉しいこと。
だからこそ、こういう生き急がないスタイルで、これからも渋く活動していってほしいなと切に思いますね。