いちいち、音楽を考える。

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ゆらゆら帝国が好きだと言われたら、何を薦める?問題について。#5

こんばんは。キタダハルキです。

今回は第5回の「何を薦める?」問題ですが…

 

※前回の記事はこちら。

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思い入れも大きいこちらのバンドで行こうかと思います。


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ゆらゆら帝国で考え中

ゆらゆら帝国で考え中

  • ゆらゆら帝国
  • J-Pop
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

解散してからも評価が高まり続けているような気さえする、ゆらゆら帝国。

それこそ、私にとってはロックとの出会いの原点に位置しているバンドでもあります。小学生~中学生あたりで出会った身としては衝撃の大きさはもう…「なんだこれは?」という形でしか表せないほどでしたね。

そんなゆらゆら帝国は…どの時期が好きなのかで薦める音楽が変わってくるんですよね。坂本慎太郎(Vo./Gt.)の強烈なアイデンティティーゆえに、どの時期の曲もゆらゆら帝国の曲には違いないとはなるけれど、好みとしては分化していきそうなのも個人的には感じるところ。

…ということで、時系列に分けてお話ししていきますね。

■ガレージ要素強め期(「ゆらゆら帝国Ⅲ」まで)

メジャーデビューしてしばらくまでは、冒頭にあげた「ゆらゆら帝国で考え中」などに代表されるような、強くひずんだガレージ的なサウンドが特徴。長く聴いてる方はおそらくこのゾーンからスタートした方が多いんじゃないか?と思います。

この時期が好きな方におススメなのは…ベタではありますが、ジミヘンかなと。


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Purple Haze

Purple Haze

  • ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

つかこのジミヘン、カッコ良すぎますね…。ステージアクション、ファッション(特に赤いパンタロン)、もちろんファズを使った音使いも…この時期のゆらゆら帝国にはかなり大きく影響を感じますね。

あとなにより、ステージ上での坂本氏の謎の色気も、個人的にはジミヘンとの共通項を感じたりしますね。

 

■サイケデリック期(「Sweet Spot」以降)

で、この次に当たる「しびれ」「めまい」の同時リリースで、いったんいままでの音楽性の到達点として整理される形になって…

※その2枚はディスクレビューしております。よろしければご覧ください。

musictherapy.hateblo.jp

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ここから大胆な「引き算」のアプローチになっていくんですよね。

音の隙間がかなりしっかり空いている形、と言いますか…*1

その転換点ともいえるこの曲、最初聴いたときは結構戸惑いましたもんね…。


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2005年世界旅行

2005年世界旅行

  • ゆらゆら帝国
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

最初はこれ、本当に好きになれるんやろうか、と思うぐらい、一度リセットされた感覚がありましたね。結局それは杞憂に終わってこの時期のアルバム「Sweet Spot」は30回近く聴きましたけども…。

 

この時期だとドアーズとかもおススメできるんかもな、と思いますね。

 


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Break On Through (To the Other Side)

Break On Through (To the Other Side)

  • ドアーズ
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

サイケデリックロックど真ん中のドアーズですが…改めて聴いてみると結構他の日本のアーティストも影響受けてるなーと感じます(この点については、また別の記事で書いてみてもいいかも)。

このドアーズも、正直耳慣れするまでは結構時間がかかる(事前知識なしで「これ好き!」ってなる方はすごいセンスだと思います)と思いますが、いったん慣れるとクセになると思います。

その点もこの時期のゆらゆら帝国と共通しているように思いますね。

 

■ゆらゆら帝国は「あやしい」バンド。

基本的にはこの「ガレージとサイケ」ってのが、ゆらゆら帝国の音楽性を表すキーワードだと思いますが…もうひとつ、このキーワードを強化する要素がありましてね。

その要素っていうのが…「あやしさ」。

これはもう、どちらの字(怪もあるし、妖もある)で表せるからこその「ひらがなで」あやしさ、なんですけどね。


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ラメのパンタロン

ラメのパンタロン

  • ゆらゆら帝国
  • J-Pop
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

 

実はゆらゆら帝国を「一発で見て忘れなかった」要因ってのが、そのビジュアル的怪しさではあったんですよね。不審さ・得体の知れなさはやっぱり、ありましたもんね。

だけど、その不審なたたずまいの中に、艶というか、色気に繋がる妖しさも感じるんですよね。だからこそ、ステージ上の彼らはどうしようもなく、カッコいいと思うのです。

で、このあやしさに通じるフィーリングを持っているバンドとして、私は「八十八ヶ所巡礼」を推したいです。


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もう、ビジュアル・楽曲・詞世界すべてが「あやしい」んですよね。絶対的な演奏力も、さらにあやしさに拍車をかけていると思いますね。ゆらゆら帝国の雰囲気が好きな方ならハマっていけると思います。

 

■今回のまとめ。

最終盤(まとめ、集大成)は、いろいろと今までの方向性を突き詰めた結果、すっきりとした音楽になっていきます。その結果としてなのか、は定かではないですがこの曲で「CMタイアップ」を手にすることになるんですよね。これも驚いた…。


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空洞です

空洞です

  • ゆらゆら帝国
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

このアルバムを最後に、バンドとしての完成を見て解散を決断*2。しかし改めて思いますが、完成した段階でセールスも上がってきた中で解散する…ってすごいカッコいいなと。

ビジネスよりも音楽ファーストで出来ていたバンドやったなぁと改めて思いましたね。

 

実は当初はこの段を3段落目に持っていこうと思っていたんですけど、どうしてもこの時期のゆらゆら帝国の「オンリーワン」感が払しょくできず、いいおススメが思いつきませんでしたね…。もっと聴きこむと、なにかしら思いつくかもしれませんが…。

あなたなら、ゆらゆら帝国好きにどんな音楽を勧めますか?

特にこの時期に関しての意見を聴いてみたいと思いますね。

*1:「急所」などの曲に見られるように、まったくガレージ要素がゼロになったわけではなく、中心核がサイケデリック要素になった、というニュアンスです。

*2:できあがっちゃうとつまんない、という趣旨のことをジャパンのインタビューでも語っていましたね。