こんばんは。キタダハルキです。
今回は、長いこと疑問のひとつだった「R&Bとソウルの違い」ってなんだ?って話をしてみようと思います。
一応、この記事を書く前に「R&B ソウル 違い」ってキーワードで検索かけて、調べてみたんですが…個人的にはちょっと難解すぎてしっくりこなかった点もあり…
ちなみに、そのしっくりこなかった点っていうのが「R&B」という言葉が定義している範囲が、原点の時代と今では大きく異なっているというところ。今の方が遥かに広義の音楽を包括しているんですよね。
…ということで、原点の時代がどういうものだったのか、ってのを踏まえつつ、いまはどういう感じで理解しておくと「わかりやすそう」かって話をしてみたいと思います。
■ソウルは、R&Bから生まれたもの。
まず、大前提として歴史の流れからすると…
R&Bがあって、そこから派生して繋がったのがソウルだ、ということ。
ということもあり、特に初期のソウルに関しては「ほとんど、R&Bと一緒じゃね…?」となっても不思議はないんですよね。実際問題、たとえば「ソウルの女王」として名高いアレサ・フランクリンもR&Bに分けられることだってしばしば、なんですよね。
ただ、そういう中でもしいて言えば…アレサ・フランクリンをはじめとする「ソウル」に組み込まれるアーティストって、基本的には「リズムよりもメロディー重視」のアーティストが多いと思います。いわゆる「歌もの」って感じでね。
↓アレサ・フランクリン筆者おすすめアルバムのレビューです。名盤おすすめももちろん素晴らしいんですが、勧めるなら結局ベスト盤に。ベスト盤らしい網羅性と50分未満で長すぎず聞き飽きにくい名盤です。
■「R&B」って、なんとなく口ずさむのも難しい。
一方で、自分のiPodの「R&B」の項を眺めていると…なんとなーく、これは「ソウルとかファンクとかに入れるのはヘンよね?」ってのが見えてきた側面があって。
ヒントは特に「最近('90s以降)の」R&Bにありました。
どういうことかというと…リズムやビートが中心になっているスタイルのものはもれなくR&Bに入れてたなーと。では、このリズムやビートが中心ってのをどこで判断していたかって言うと…
なんとなくでも、メロディを口ずさめるか否か。
というものでした。あくまで私の場合は。
たとえば「R&B」カテゴリで、その典型でめちゃくちゃ有名な曲の例としてこの曲を挙げますが…
これ、ホーンのデーッデデッデッデーのところ以外って、そもそも音感が優れてるとかやないとそうそう口ずさめない(少なくとも、すぐには覚えられない)と思うんです。こういうフィーリングを元にしていけば、仮に時代をさかのぼったとしても割と迷いなく分けていけるか?と思ったんです。
※この基準だと、特に「ヒップホップ」との絡みがある曲はほとんどR&Bという分けられ方をする。上記楽曲も当てはまる。
↓上記楽曲が収録されているアルバムはこちらでレビューしています。キャッチーでバラエティにも富んでいてほんっと、わかりやすい作品です。
■ホイットニー・ヒューストンはR&Bなのか?
ところが、そういう話をうちの奥さんにしたところ、こんな問いが来たんですよね。
「じゃー、ホイットニー・ヒューストンは?」
こ、これはR&Bカテゴリに入ってるけど歌えるよな…
SMAPの中居くん*1、よう歌ってたもんな…
…と思ったんですが、この時代の'80s終わりから'90s初頭のヤツは「ポップスと混ざったR&B」という感じの理解*2でいいんじゃないかと私は思うんです。この超有名曲も、サビ以外はとてもスッと歌えるようなメロディじゃないですしね。
↓ちなみに上記楽曲は映画『ボディーガード』のサントラに収録されています…。サントラながら映画をそんなに知らなくても聴きやすく4500万枚のメガヒットした名盤です。レビュー記事はこちら。
■シャウトするような高音は、ソウル発信の特色。
では、一方で、これは「R&Bではなくソウル」やんね?ってヤツはどういう音楽なのかというと…
そのヒントが、ソウルの大御所オブ大御所、ジェームス・ブラウン(以下JB)の歌唱法に。
このタイプのシャウトって、たしかにR&Bではほとんど見ない気がするんですよ。
もちろん、JBは先述のアレサ・フランクリンらと同時期なんで、R&B(ファンクにも)のカテゴリにも入ったりしますけど、「ナンバーワン・ソウルブラザー」など、ソウルで通り名を多く持ってますしね。
もっとも、こういう超絶ハイトーンも'90sのR&Bに逆輸入のような形で入っていった面もあり*3、決定打かといわれると…。
だからこそ、R&Bとソウルを明快にバスっと分けるのは難しい…って言われるんですよね…。
↓JBはやはり有名盤『セックス・マシーン』がライブ盤ながら敷居は低めで入りやすいかと。レビュー記事は以下のリンクからどうぞ。
■「ブルー・アイド・ソウル」は、なんだかんだでソウル純度高め。
ただ、そんな中でも「ブルー・アイド・ソウル」と言われているものに関しては、R&Bフレーバーは少ないと私は感じていて。
その一角で現在メガセールスをあげているアデルは、R&Bではなくソウルとして分類されることの方が多いと思います。
こっちはビートよりもメロディが中心(難しいけど、まだ口ずさめる)になってますよね。こういうタイプのものはやはり「ソウル」なんじゃないか、と私は考えています。
↓上記楽曲収録のアルバムのレビュー記事はこちら。彼女の作品はどれも聴きやすく、当作品は日本ではジワ売れみたいな感じでしたが世界的には3100万枚の大ヒットしています。
■一方、日本の場合は…。
一方で、日本の場合はどうなのか?と言われると…
R&Bって言葉が定着したのって、やはり宇多田ヒカルのあたりということを鑑みると…やはりソウルというよりはR&Bが隆盛しているのかな?と思います。
↓上記楽曲収録のヒッキーの1stアルバムのレビュー記事はこちらです。日本のR&B史を変えた代表作です。国内歴代最高セールスです。必聴。
一方、先ほどまでの定義と違い、日本の場合はやっぱりメロディ重視でないと「売れない」という壁が存在している*4からか、その辺はソウルっぽさも強いのかなと思います。
そういう意味では、R&Bカテゴリで現在もっともノッてる藤井風は、R&B黎明期やったらもしかしたら売れへんかったんかもな?とも思ったりします。覚えるの本当に大変な曲ですしね。
ただ、この曲がシーンのど真ん中にいける、ってことはそれだけR&Bに対する認知が成熟してきた、ってことでもあるんやと思います。
しかしほんと、藤井風は売れてよかった…。ものすごい曲(としか表現できないのが残念ですが…)連発してるんでね…。
まだ聞いてないって方はぜひ聞いてほしいです。
↓その藤井風の1stアルバムレビュー記事はこちら。圧倒的な新しさと土着性の両立。これって並び立つことできたんかい!ってほどの衝撃的作品。必聴。
■まとめ:やっぱり難しい!
…ということでやってきたんですが…いやぁ、難しかったですね…。
この記事、分量に対して結構難航しましたね…週間単位で時間かかった…苦笑。それぐらい、R&Bとソウルの違いって「難しい」んですよね。
そんな中でも、こうやっていちいち「考えてみる」ことで音楽の解像度が上がっていくのは楽しいことやと思います。
…ということで、あなたが考えるR&Bとソウルの違いってどんな感じですか?コメントなどで教えていただけると嬉しいです。
■この記事で紹介した作品一覧はこちら。
→R&Bとソウルの違いを体感! これらの名盤は、以下のリンクから深く掘り下げる(レビュー)か、購入(Amazon, 楽天, iTunes)が可能です。ご自身に合った方法で楽しんでください。 ←
・アレサ・フランクリン
【レビュー記事はこちら】
・ビヨンセ
【レビュー記事はこちら】
・ホイットニー・ヒューストン(映画サントラ)
【レビュー記事はこちら】
・ジェームス・ブラウン
【レビュー記事はこちら】
・アデル
【レビュー記事はこちら】
・宇多田ヒカル
【レビュー記事はこちら】
・藤井風
【レビュー記事はこちら】
*1:ちなみに、筆者は中居くんの歌に歌心はあると思うし、リズム感はいいと思っている。
*2:こういう音楽を'80年代に流行っていたブラック・コンテンポラリーの歌ものバージョン、という感じ「らしい」。これをR&Bというくくりで呼ぶようになって、またR&Bの言葉としての隆盛が始まった。ただブラック・コンテンポラリー自体はソウル派生。ややこし…。
*3:マライア・キャリーが代表。同じく超ハイトーンのソウルシンガー、ミニー・リパートンらの影響。
*4:ほんと、歌えない曲は売れない。ヘタしたらインスト曲ですら「歌えるメロディだから」売れるみたいなことが起きているように感じる。ex.坂本龍一氏の「ウラBTTB」とか。
