こんばんは。キタダハルキです。
このCD、長っ…
できれば味わいたくない、この感情。特に、趣味をはじめとするライフスタイルの多様化した現代ではアルバムの収録時間も短くなった印象。ほとんどのアルバムCDが40分前後で構成されているのが現状…。
そんな中、敢えて今紹介したい、収録時間70分超ながらも個人的に超名盤と言っていい*1アルバムについて。今日はドーンと邦楽・洋楽合わせて10枚。ご紹介していきたいと思います。
■邦楽編
■さくら/サザンオールスターズ(1998)78:20
言わずと知れたサザンオールスターズの98年のアルバム。
いわゆる「夏のバンド」といった、パブリックサザン的なものを一度壊し、やりたい放題やったようなテイストのロックアルバム。その集大成が16曲、78分20秒。そのうえ、曲間もほぼありません。
そのせいか、非常にポップだった前作「Young Love(250万枚)」を大きく下回る100万未満と賛否を巻き起こす出来でしたが、むしろ今聴いた方が凄みを感じる名盤だと思います。
■坩堝の電圧/くるり(2012)72:28
くるりの12年発表のアルバム。一番人数が多かったころですね。
あまり超大作、といった感じのアルバムを作らないくるりですが、このアルバムは70分オーバー。ハードロックあり・演歌テイストありのなんでもありなごった煮的内容ですが…末尾の「glory days」で歌詞内でも今までのキャリアを統括するような集大成的な作品になっています。
そういう意味では、くるりをあまり通ってこなかった方にも薦めやすいアルバムかと。エッセンスは踏襲できるんじゃないかと思います。
■ぱつんぱつん/グループ魂(2008)77:58
ここでひとつ変化球ですが…
クドカン率いるグループ魂の「ぱつんぱつん」は70分超の名盤。
どう変化球かというと…コントがね。曲間に結構な尺を割いて収録されており、その影響もあってかほとんどのアルバムが70分超。
そんな中で当作品のポイントは、なんといってもパンクをベースとして様々なオマージュを盛り込んだ、そもそもの楽曲の力の高さもそうだし、コラボレーションも超豪華*2。
聴かず嫌いせずに聴いてほしい一枚だと思います。
■Quest/SPECIAL OTHERS(2008)70:00
ポストロックが流行し始めのころからシーンをけん引し続けているスペシャルアザーズの代表作。70分の縛りがなかったとしても、スペアザでとりあえず薦めるならこのアルバムかなーと思っています。
ポストロックって、どうしても「メカニカル」なイメージが強くてとっつきにくいって方もいると思うんですけど、スペシャルアザーズはオーガニックな温かみのあるジャジーなサウンドが特徴。
特に収録曲「Laurentech」はもう、ポストロックを代表するアンセムだと思いますね。
■TERMINAL/salyu(2007)71:46
salyuも代表作、ってなったらこのアルバムなんじゃないかと思います。終点というタイトルにふさわしい、フルパワーのアルバムです。
もう、プロデューサー小林武史節がこれでもかってぐらいにさく裂した、終始ポップな大作です。インタールードのような曲が一切なくて、それでもなおかつ70分以上聴かせ切れるのはさすがやと思います。
おススメはやはりラストを飾る「to U」。もうね、salyuの歌声は神々しいです…。
注:アルバムに収録されているのはsalyuソロのバージョンです。
■洋楽編
■By The Way/Red Hot Chili Peppers(2002)72:26
日本人にもおなじみレッチリの、日本でもよく売れた「By The Way」。実はこのアルバムも70分を超える大作です。
17曲のフルボリュームながら、やっぱり「聴きやすい」って感想です。曲のバリエーションも豊富です。
実はレッチリもアルバムによってはポップとは言い難かったり、(70分とかないのに)ボリュームがありすぎたりってのも正直感じたりすることもありますが…
このアルバムはそういう心配の少ないアルバムだと思いますので、コレから入ってみるのもいいんじゃないか、と思える作品です。
■Music For The Jilted Generation/The Prodigy(1994)78:08
プロディジーの名を世界にとどろかせた2ndアルバム。これはもう、マジでおススメです。
プログラミングを担当するリアム・ハウレットの「クラシック英才教育仕込み」に由来する、ピークが来て引いていくまでの曲構成がとにかく飽きない。いつのまにか「え?もう11曲目?*3」って感想を毎回のように抱いています。
惜しくも2年前に中心メンバーのキース・フリントが亡くなってしまいましたが、新作は今後も出るのか…?そこも注目。
■Death Magnetic/Metallica(2008)74:42
メタリカ・2008年リリースの9thアルバム。これを推したい理由はシンプル。
なぜならうちのおかんがこの曲が死ぬほど好きでメタリカファンになったから笑。
60代女性に通用するメタルアルバムとか、そうそうないと思うんですよ。いやマジで。
それはさておき、セールスは奮ったもののサウンド面で否の声も多かった前作*4から原点へと戻ってきたようなアルバムだと思いますし、その前作でやめちゃった方にもおすすめしやすいアルバムかな?と思います。
■Sound Of Silver/LCD Soundsystem(2007) 75:52
ポストパンクムーブメントを正式にリバイバルする流れで音楽ファンをうならせたLCDサウンドシステムの代表作。評論家筋の評価も極めて高い作品です。(しかしつべに映像が少なくて、こういうときに推しにくいのが残念…)
これ、だんだんクセになるタイプの音楽性なんですよね。最初はちょっと気持ち悪さもあると思いますが、耳にものすごく残るんですよね。M-2「Time to get away」とか、意外と口ずさめるようなポップさもあります。
ちなみに、このアルバムは「通常盤」だと収録時間は70分未満です。が、ボーナストラックのリミックスが素晴らしい出来なので、それも加えたものを敢えて推してます。
■Trout Mask Replica/Captain Beefheart & The Magic Band(1969) 78:51
ラストは…賛否両論の激しい作品を。
キャプテン・ビーフハートのジャケットが印象的なアルバム。
これはもう、ぶっちゃけ理解できない人は一生、生理的に合わないと思います笑。アマゾンかなんかのレビューを見ても「何回聴こうとしても完走できなかった」という旨のコメントも…。
ただ、このアルバムが「これもありなんやで」って音楽の可能性を開いた側面は大きく、昨今まで高い評価をキープしている作品です。ポップなものが欲しい人には勧められませんが、チャレンジャーにはおススメ。
注:私は12周しました。ここまでくれば普通に慣れてきます…。
■まとめ。
自分でまとめてみて、思ったより年代が偏ったことに驚き。
年代よりもジャンルが偏らないことを重視したらこういう形のチョイスになりました。他にも推したかったけど選外になった作品はまだまだあります。
皆さまの「70分超えの名盤」はなんですか?ぜひ、コメントで教えてくださるとうれしいです!