いちいち、音楽を考える。

音楽はフィーリングも大事だけど、いちいち考えてみたくなるんです。

このアーティストなら「ベスト盤」でもぜひ推したいぞ5選。

こんばんは。キタダハルキです。

先日、こういう記事を書いたんですが…

 

musictherapy.hateblo.jp

 

こんな記事を書いた一方で、ベスト盤は全部ダメか、と言われたらそんなことはなくて。むしろ、ベスト盤で入っても十二分にキャリアを網羅出来て、しっかり追体験しきれるベスト盤もあります。

今回は、ベスト盤をおすすめしないことが多い私でも「このベスト盤はいいよ!」って言えるアーティストを紹介していきたいと思います。

■その1.「アク」を減らし、キャリアを統括できる。(QUEEN)

真っ先に思いついたのがQUEENでしたね。

ちなみにですが、私はフレディ存命中のアルバムはすべて聴いたうえで、それでもなお、人にまずおススメするのはベスト盤、という立場です。

というのも、QUEENの場合はオリジナル盤には少なからずマニアックなフレーバーもあり、なおかつアメリカ進出後のしばらく結構がっつりと低迷した時期*1もあって、私自身「QUEENのことはしっかり好きだと言える中でも、薦めやすいとは言えない」出来のアルバムも多く…。

 

そんな中ですが、ベスト盤2枚はその「アク」が少なく、なおかつ有名曲の多いQUEENのキャリアを統括しきれるって意味でものすごく価値の大きな2枚だと思います。

 

…ということで、キャリアを統括できる「Greatest Hits 1、2」どちらもおススメしておきます。

■その2.実は、ベスト盤ということを知らなかった作品。(ボブ・マーリィ)

続いてはボブ・マーリィのベスト盤です。これはもう、歴史的名盤としても認知されている作品です。

ただ、この作品…私は「ベスト盤と知らず」タイトルだけ見て借りてしまって*2、やってもうた…と思いながら再生…。

 

ですが、すでに持っていたヤツよりも、こちらのベスト盤の方が「スッと、流れ良く」聴き終わったんですよね。曲目は同じような内容だったのに不思議…。曲順がよっぽど練られているのか…。

この作品であれば、レゲエを聴きなれていなくても十分に聴けると思いますし、おすすめできます。

■その3.大物を輩出したプロデューサーのベスト盤。(トッド・ラングレン)

こちらもいいベスト盤。

何枚かベスト盤出てますが、今回推したいのはトッド・ラングレンの71年から82年までのキャリアをまとめたベスト盤です。

 

※代表曲。ダリル・ホールの家らしいですねコレ…。


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上記の一部シングルを除き、メガセールスとはあまり縁がなかった彼ですが、プロデューサーとしてXTC、ホール&オーツ、グランド・ファンク・レイルロードなど大物を輩出という実績など、卓越したセンスの持ち主です。

ちなみに20曲という大ボリュームのベスト盤ですが、私は30周しています…。それぐらい各曲のバラケ感とかがなく、自然な流れで続いているという証明だと思います。

 

■その4.ポップスの闇も表現したベスト盤。(ホフディラン)

続いては邦楽勢から、ホフディラン。


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直近ではCM&カバーの影響で再ブレイク?のような形になった彼ら。

もちろんこのベスト盤自体、各々のソロ曲も収録されていたりと内容として素晴らしいんですが…特にいいところは「ベスト盤としての工夫」。

ただシングルの光としての側面を見せるんじゃなくて、豚箱にぶち込まれて作ったんやぞっていう語りパートが入っていて、皮肉もこもった、ポップの光と闇を両面拾うことができているのがポイントかと思います。

 

タイトルは「JAILHOUSE HITS」

ここまでダークさをごまかさないベスト盤もすごいなーと思いますね。

■その5.高い網羅性と、音楽性の不変を両立できているベスト。(キリンジ)

ラストはキリンジの初期ベスト。アルバム4枚分から成る*3この網羅性は素晴らしいですね…。

キリンジはオリジナル盤ももちろんいい出来なんですけど、初期からアルバムをそろえていくのは結構大変。当時は1年1枚ペースでコンスタントに出ていたうえに代表シングルがいろいろなアルバムにまたがっているため、じっくり聴こうと思うとかなりの時間がかかります。

また、キリンジは1~4枚目ではそこまで大きく音楽性が変化していないためか、耳も疲れずに聴ききれる作品だと思います。

ほんと、上質なポップスです。

 

■まとめ:ベスト盤じゃない方がいいよ、と思いつつも。

今回の記事を書くにあたって、iTunesのベスト盤のデータを見返しましたが…

やはり、ベスト盤だけで好きになったアーティストは少な目で、結局きちんと検証するためにスタジオ盤をしっかり聴きなおしていたアーティスト(=ベスト盤は推せない)の方が多かったです。ハマれなくて再検証に至れていないアーティストもまだいます。それぐらい、ベスト盤だけで判断する・ハマり切るのは意外と難しい、ってことだと思います。

だからこそ、今回お勧めするベスト盤は、結構ほんまにおススメできます。いわば、ベスト盤じゃない方がいいよ、って観点がある中でも勧めたい作品なので…。

みなさんのおススメのベスト盤も、コメント欄などで教えてくださるとうれしいです!

 

★当記事で紹介したCD一覧は以下の通りです。

 

*1:作風変更によるファンの反発、ソロ活動の活発化におけるメンバー間の溝も。

*2:実は、他のベスト盤をすでに保持していた。

*3:5thアルバムはこのベストの前に出ているが、当ベストには1曲も収録されていない。