「仲直り」が生み出した、表現の純度。
No.4/Stone Temple Pilots 1999年10月26日
Down
Heaven & Hot Rods
Pruno
Church On Tuesday
Sour Girl
No Way Out [Explicit]
Sex & Violence
Glide
I Got You
MC5
Atlanta
彼らとの出会いは…実は、ギターの音作りをするための教則本(笑)
↓この本。エフェクターのつなぎ方の基礎はこの本で覚えました。
サウンドメイク・ファイル 2009 特別付録CD付 (シンコー・ミュージックMOOK)
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で、こーいう本に載ってるってことは、ひょっとして超有名なんじゃないか?知らないの、ヤベーんじゃないか、と思って、まずはベスト盤から入ったんですが…
↓こちらがベスト盤です。
いやいやいや、カッコよすぎやろ、と。
先日惜しくも亡くなりましたが、史上最高クラスの「いけないことしてる」って感じの色気を持っていたボーカル、スコット・ウェイランド、楽曲の大半を作っていたセンスあふれるロバート、ディーンのディレオ兄弟。そして後ノリ気味ながら強烈なビートで圧力を高めるエリック・クレッツのドラミング。即座に虜になりましたよね。私が大学「5年目」の卒業ライブでコピーするバンドに選びました。
今回紹介するアルバムは、いわば「仲直り」の印。
どういうことかというと、ボーカルのスコットが結構ホントに「いけないこと」をしてまして…(笑)前作「ヴァチカン」のときはメンバー間の仲が非常によろしくなかったんですよね。(どれぐらい仲が悪かったかというと…スコットとその他のメンバーが、一切顔を合わせずにレコーディングしたほど。実際、もっと詰められるよなぁ…って感じはありありと感じられます。それでも超名盤ですけどね。)
そんな彼らが和解を果たして作られたのがこのアルバム。やっぱり、ひとつになっている印象は明らかに前作より強いですよね。圧があります。楽曲面も押すところは押す、引くところは引く、っていうメリハリが利いていて飽きないです。
ほんで、彼らの持ち味はそのライブパフォーマンス。とにかく、いっぺん観てほしいです。
■「好き勝手」に感じても、まとまってしまうすごさ。
Stone Temple Pilots * Down * House of Blues 2000
アルバムの冒頭を飾るナンバー。
ほんっと、引き込まれますよね。特にスコットのパフォーマンスの吸引力は常人を越えてますよね。こんなにも好き勝手に、音楽を感じていいんや、ってことを教えてくれたと思います。
音像はものっすごいヘビーなんだけど、ノリを必要以上に重たくしていないから「胃もたれ」する感じがなく、スッキリしていてスマートですよね。
スコットワールドに浸れる一曲ですね。
■ハードコアなエロス全開。
なんていうか、キモイんだけど見ちゃう迫力があるんですよね。歌詞も超ハードにエロティック。確かに、彼の動きからはこれでもかってぐらいにエロスも溢れていますよね。
※歌詞はこちらからご覧ください。
で、楽曲面でいうともちろん「押し」ではあるんですけど、Bメロでフワッと拡がるようなコードワークで「引いている」んですよね。だからこそサビでグイグイ迫るのが効いてくるし、より狂気が際立っていると思うんですよね。
一見シンプルな楽曲ですけど、表現力の高さが光る楽曲だと思います。
■「純粋性」が際立つラブソング。
こちらはさっきの暴力的なフィーリングとは違い「純粋性」の高さが感じられますよね。いわゆる「酸い」のようなものを「Sour Girl」って表現しているんだと思いますね。
歌詞の内容はいわゆる「素直になれない男」が彼女を失ってからの後悔がたっぷり詰まったモノなんですけど、楽曲の仕上がりは比較的ドライ(原曲はここまで派手にストリングス頼みではない)で、スコットのボーカルの粘度が際立ってますよね。
スコットは立てようとせずとも立ち上がってしまうぐらいぐらいの華、ありますけど、それでも「スコットが表現の柱」ってことをメンバー全員が理解して「立たせる」曲作りしているように感じますね。
だからこそ、これだけ楽曲表現の幅が広いんだと思いますね。
■ひたすらに「純粋」なアルバム。
で、改めて振り返って思ったのは、このアルバムってすごく「純粋」だなーってこと。
歌詞を振り返ってみても、そう深いことを言っているでもなく、そのまま解釈してOKって感じではありますし、なにより、愛(というかエロスか)への向き合い方が素直になれぬ後悔だったり、ハードコアで暴力的だったりと、「純粋」だからこそのナイーブさが前面に出てますよね。
この「純度」の高さが、いわば言葉を理解する前段階の私であっても、グッと引っかかった一因かな、と思います。
★この記事で紹介した楽曲はこちら。
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