挑み続ける、プロ意識の塊。
GO/KREVA 2011年9月8日
基準
挑め
KILA KILA
蜃気楼 feat.三浦大知
呪文
runnin' runnin'
HOT SUMMER DAYS
微炭酸シンドローム feat.阿部真央
パーティーはIZUKO?
C'mon, Let's go
EGAO
探究心
ソロデビュー5枚目のアルバム。一番最初に記事にするの、どれにするか結構迷いましたけど、「ラップ」と「メッセージ性の強さ」を重視して、このアルバムを選びました。
いつもアグレッシブな姿勢を見せているKREVA氏ですが、このアルバムは特にその姿勢が鮮明かつ、わかりやすい内容になっています。言葉が強い分、正直拒否反応を示す人も多いんやろうなぁ…とも思います。
ですが、このアルバムで彼が伝えていることは、生きていく上でとっても大事なことだと思うんですよね。今日は中でも重要やなと思った3曲についてお話ししたいと思います。
■リスナーを「ふるい」にかける「基準」となる一曲。
ザラっとした肌触りのロックなトラックのオープニングナンバー。ぶっちゃけ、この曲が聴けるか聞けないかでふるいにかけてるんかな?ってぐらいの挑戦的なナンバーです。リリックはものっすごい過激(に聞こえる人もいる)。
全然違う 全然違う 一緒は無い 無い無い無い無い
そんな価値判断じゃ長い儚い人生間違いばっかさ
ワンランクアップを目指そうぜ
ホンモノだけ選ぼうぜ
目が肥えると減る いや 消えていくフェイク(基準/KREVA)
コレ、押しつけがましい、って感じる人も結構いると思うんですよね。ホンモノとかニセモノとか、なんなんや、とね。そんなもん人の感じ方次第やろ、ってね。
だけど、それでいいと思うんですよね。私は誰かや世間に「流されて」一緒、みたいな価値判断の選択基準でやっていくんじゃなくて、自分の感じる通りに選んで行こうぜ、ってことだと思ったんですよね。(もちろん、良いもん聴け、ってのも入っているとは思いますが。)
シンプルな話ですけど、「俺はこうだけど、キミはどう?」ってのを丁寧に示してくれているのがKREVA氏の魅力だと思うんですよ。
深呼吸しとく
エンジン全開だが冷静な判断できてるから
笑わずに聴いてくれ見てくれ知ってくれ
スケールの違いに気付く
今日からはこれが基準違いがわかる男女が増えれば
未来は変わるちゃんと
俺は俺のファンと
その不安を
あぁ 引き受ける違いがわかる男女が増えれば
未来は変わるちゃんと
俺は俺のファンと
それ以外も
まぁ 引き受ける
余程の自信がないと、ここまで言えないですよね。単純に、いいもん、すごいもん出来たから聴いてくれ!その結果は引き受ける!っていうなかなかの潔さだと思います。私は「カッコいい」って思ったんで、このアルバムの世界の扉を開こう、って思いました。
あなたは、どう思いますか?
■自分に正直に、失敗しても許し、挑み続ける。
冒頭の「基準」を受けてハードルが上がった中、そのハードルをさらりと飛び越えるイントロのビートから「堂々」としたフィーリングが溢れてますよね。
この曲は、冒頭部分で言いたいことは全部言い切っているんじゃないかと思います。
一度目も 二度目も
何度目も正直
毎回毎回が本気
準備怠らずに 挑め一度目も 二度目も
何度目も許す
仏の顔じゃないが
俺は俺を認める 挑め(挑め/KREVA)
何度も何度も、自分自身の姿勢に実直に、その結果何度も失敗したとしても「挑む」ことを止めない、という、ケツを叩いてくれるメッセージですよね。なおかつ、本気でやっているんだ、ということにウソをついていないから、失敗したときも「許す」ことができるんやんなぁ…とも思いましたね。このストイックな姿勢、ホントカッコいいと思いますね。
自分を鼓舞したい時におススメの一曲です。
■全力でやった上で、「その先」まで示す誠実さ。
この曲があるかないかで、アルバムの印象がガラッと変わってしまうほどの一曲。と同時に、この曲がなかったら、ぶっちゃけ「ドヤって終わりか?」ってなってしまいかねない、それぐらいに重要な一曲だと思います。
で、重要だと思った一番の理由がこちらのフレーズ。
上には上 下には下
右には右 左にゃ左
あらゆる所にいるライバル
この勝負終わりはないはず
もしものもしものもしだよ
全員倒したとしても
自分の中の自分という相手が名乗り上げるだろう(探究心/KREVA)
このアルバムがいまの全力なのは間違いないけれど、その上でもっともっと、できることがあるってことまで自覚した上でアルバムを締めくくっているところが素晴らしいと思うんですよね。これなら次回作も…って楽しみにしたいと思えますしね。
堂々と言いたいコトを言ったうえで、まだできることがあるっていう自分に対する承認と探求する力。見習っていきたいですよね、ホンマ。トラックも前半のドヤって感じではなく落ち着いたクールなトーンで、冷静に先を見据える様子が表現された、スッと入って来る楽曲だと思います。
■プロ意識の詰まった、攻めの姿勢がカッコいい一枚。
堂々と、言いたいコトを言って、その結果起こるムーブメントも引き受けて、さらにイイものをファンへ届けよう、っていう姿勢はまさにプロ、だと思います。
この「一貫した」スタイルがカッコいい、そんな一枚だと思います。
★この記事で紹介した楽曲はこちら。
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