こんばんは。キタダハルキです。
今日は当ブログとしては原点に近い「歌詞」についての話です。
第1回は…こちらのアーティスト。
絶賛大ブレイク中の「緑黄色社会」をテーマにしたいと思います。
いんやー、私個人としては、本当にブレイクしてくれてホッとしました。初めて見たのは何年か前の年越しCDTVでしたが…そのときからとてつもない完成度で、歌唱力・演奏力・楽曲・そしてルックスも…どこをとっても穴が本当にないバンドでしたからね。
そんなリョクシャカの中でも、実はすごいなーと思うのが「歌詞」なんです。
なんというか、いわゆる言語感覚が宇宙的、みたいなアーティーな感じではない分、きちんと伝わる言葉がつづられていると思っていましてね。でも、詩的表現としての体もきちんと押さえているというか。
今回はそんなリョクシャカの「きちんと、伝わる」歌詞について、ピックアップしてお話ししたいと思います。
■まだまだまだまだこのままがいい。(大人ごっこ)
明日になればこの夢は醒めてしまうの
バスタブの泡は多すぎて溢れる
臆病が身について
明日の夢すら作れない
まだまだまだまだこのままがいい
(大人ごっこ)
これ、おそらくリョクシャカを認知して最初に「おーっ」となった歌詞ですね。
なんせ、詩的表現にはなっているけれど「どの言葉も、意味はわかる」んですよね。意味が分かるから、情景がきっちり浮かぶんです。
この曲、私は「背伸び恋愛」の歌詞だと思っていて、アルコールの力を借りてみたりしながら自分の気持ちを伝えてみようと思うけれど、なんとなく「自分と相手とでは住む世界が違うことも」わかっていて、明日という先の段階に進んでしまうことがポジティブな結果をもたらさない、ってことを感づいているからこその、「まだまだまだまだこのままがいい」んですよね。
言葉の重ね方にも、やってみたではなく強調としての意義が感じられるのが良き、ですよね。
■自分の愛を最後は咲かせるぞという前向きな決意。(サボテン)
溺れて枯れた窓際の愛は
間違っていたのかな
花が咲くのが見たかったから
良かれと思ってた
ただただ私は私なりに育てました
ただただ私は私なりに愛を注いだの
(サボテン)
これはもう、全文見てほしいです。本当にしょっぱなから最後までストーリーテリングが見事です。
水をやれば簡単に育てられると聞いたサボテンと、身勝手になってしまった自らの愛をなぞらえ、後悔しながらも自分の愛し方の否定で終わるんじゃなくて、自分の愛を最後は咲かせるぞという前向きな決意が一曲の中でピシッと書ききれていますよね。
ミニアルバムの一曲ですが、ほんと名曲だと思いますね。
■「レイヤー」を感じさせる作詞技術。(幸せ)
少し前の私と話が出来るなら
必ずその手を離さないでと
口を滑らせてしまうと思う
(幸せ)
これまた、全文を見てほしい歌詞ですね。
実は引用したのは、最後の最後なんです。
この部分以外は、すべて幸せにあふれまくっているんですよね。ということは…。
リョクシャカはこういう「タイトルはポジティブキーワードなんだけど、それ一辺倒にならない」レイヤーを感じさせる作詞技術*1がありますよね。この辺が「薄っぺらさ・嘘くささを感じさせない」要因にもつながっていると思います。
■まとめ:誰が読んでもわかる。これぞポップ。
…という感じで、3選に絞ったんですが…
やっぱり、リョクシャカの歌詞の魅力は「誰が読んでも」伝わり方が安定してそうなところだと思いましたね。これぞポップというかね。
で、誰しもに伝わっていけるから「売れることができた」んやと思うんです。しかも、総合的に穴がないから真っすぐリスナーに到達できたんやろうなと。今年はさらにデカい存在になっていけるんじゃないかと、もっともっと楽しみのあるバンドだと思いますね。
あなたはリョクシャカの歌詞でこんなフレーズが耳に残った!とかありますか?
よかったらコメント欄やツイッターのリプなどで教えてくださるとうれしいです。
*1:ほかには1st「緑黄色社会」収録の「キラキラ」も。キラキラに疲れた、難しかったという内容。