こんばんは。キタダハルキです。
今日は体調も回復して、気持ちよくこの記事を書いているんですが…皆様はいかがお過ごしでしょうか。
さて、それでは今日のTSUTAYA DISCAS日記、やっていきたいと思います。
今日のキーワードは…【DNAにたしかに届く、愛のかたち】。
それではレビューしていきたいと思います。
■Hounds Of Love/Kate Bush(1985)
イングランドを代表するシンガーソングライター、ケイト・ブッシュの5thアルバムです。
■Side 1: Hounds of Love
のっけから神々しいというか…『Running Up That Hill (A Deal With God)(M-1)』は荘厳で、つかまれるものがありますよね。邦題は『神秘の丘』。まさにという神聖さを感じます。
そこに続く『Hounds of Love(M-2)』は、その丘に登って解放されて叫んでいるような気持ちよさがあって、見上げたら『The Big Sky(M-3)』が広がっている…といったような、アルバムとして流麗ですよね。鳴っている音から、きちんとイメージできますもんね。
そして『Mother Stands for Comfort(M-4)』、『Cloudbusting(M-5)』でも母性愛と父性愛のコントラスト*1が取れていて…このM-1~M-5がひとかたまりのサイド1: Hounds of Loveを構成しているんですけど…いい流れで聴けますよね。
■Side 2: The Ninth Wave
そしてサイド2に移ると…
美しいピアノと高低のメリハリある楽曲『And Dream of Sheep(M-6)』で幕開けて…不穏なオケで空気を変える『Under Ice(M-7)』、ポエトリーとピアノ、コーラスから、急に不気味なシンセとボイシングでバーンと開いてくる『Waking the Witch(M-8)』で、ファンタジックな空気に展開します。
この不穏さを『Watching You Without Me(M-9)』の空気感で留めながら、アイリッシュトラッド的なパワーあるナンバー『Jig of Life(M-10)』で、これまた大きな一発としてピークづくりができているんですよね。
この最終盤部分でチャント的な祈りが宇宙まで届いたのか、『Hello Earth(M-11)』という交信的な壮大なバラードへとスケールアップしていくんですよね。しかしまぁ…なぜにこんな少ない音数の中にイメージソースを無限に広げられるような情報量を流していけるのか…もはや現代芸術。
このあと、エンディングテーマ的にポップな音使いの『The Morning Fog(M-12)』で日常に帰ってくるような構成なんですが…アルバム一枚でこの旅ができるのはすごいですよ。
アーティーな作品でどう聴いていいやら…みたいに戸惑う面もあるかもしれませんが、とりあえず流したまま感じるように聴いてみてほしいです。それこそ、DNAにたしかに届く”何か”は感じられると思うんですよね。
■終わりに:レコード会社を黙らせる一発に…
レビューは以上になりますが…
今作品、実は前作のセルフプロデュース作『ドリーミング('82)』が商業的期待値を下回ったことでレコード会社が「外部P入れろ!」と圧をかけてきたのを拒否して作られたとのことで…相当な勝負かけて作られたものですよね。
結果として全英だけで100万枚のビッグセールスになったため、レコード会社を黙らせる(彼女いわく、ほっといてくれるようになった、とのこと)ことにも成功…いやはや、凄い作品だと思いますね…
それでは、今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
もし気に入っていただけましたら、もう一記事、読んでいただけると嬉しいです。
★関連(個人的お勧め含む)作品・記事
↓ポストパンクバンド、ザ・フューチャーヘッズが今作の『Hounds of Love』を下記アルバムにてカバーしています。こちらは見事にパンキッシュに、キャッチーなカバーとなっていると思います(音源の下にアルバムのレビューリンク記載しています)。
↓アルバムレビューはこちら。今作もめちゃくちゃ耳残りするいい作品です。
↓現在進行形でアーティーなシンガーソングライターの代表格、セイント・ヴィンセントの'24年作品にも当作の影響。『Todos Nacen Gritando(下記、M-10)』には、今作の『Hello Earth』の印象的なコーラス部分をハイパーにしたようなアレンジが為されています。下記作品もアートと原初感が並立できている非常にいい作品でした…
↓当カテゴリ、前回の記事はこちら。ブラーの6thアルバムは、ぶっちゃけると崩壊前夜のような不穏さもありながら、この時期の作曲技術の成長が現在の彼らの地位にも繋がっていると感じる作品でした…
*1:楽曲的にも、M-4は優美、M-5は弦楽器が荘厳。

