いちいち、音楽を考える。

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Prema/藤井風(2025)今日のTSUTAYA DISCAS日記。#431

こんばんは。キタダハルキです。

今日はもう一段、肌感覚として秋が進んだような感覚を覚えたんですが…皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 

さて、それでは今日のTSUTAYA DISCAS日記、やっていきたいと思います。

今日のキーワードは…【もっと俗っぽく、高尚とは言い難いものがあってもいいんじゃないか…】

それではレビューしていきたいと思います。

■Prema/藤井風(2025)

Prema (初回盤)(2枚組)


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Prema

Prema

  • 藤井 風
  • ポップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

ご存じ、国民的R&Bシンガーソングライター、藤井風の3年ぶりの3rdアルバム、最新作です。珍しく、宅配レンタルとしては最速?で聴けました。

サウンドテイストは'80s洋楽っぽいノリで、全英語詞。特定の誰か、って感じはそこまでは感じずなんとなく'80s…って感覚ではあるので、消化・咀嚼はされていると思いました。特に『Hachikō(M-3)』にはダンスポップを'80sと最新で繋ぐような新旧折衷的な感覚を感じました。


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また全英語詞という、国内マーケットではハンデになるものもありながら(だから初回盤は日本語詞シングルを集めたものがボーナスでついてくるのだと思う)手触りとしてはメロディがわかりやすく、口ずさみやすくはなったし、ノスタルジックで優しい空気のまま進んでいきます。プレマ、というサンスクリット語ですべての存在に向けられる大いなる愛というテーマの通り安心して聴ける一枚、というのは間違いないと思います。

ただ、ただね…私としてはちょっと耳なじみが良すぎて寂しい。

それこそ『何なんw』に類するようなあのアグレッシブなメロディはもう聞けないのかなと思うと…エゴと(ジャケの感じにも現れているように思いますが)頓着が感じられず、全体で聴くと''愛の全体性という名の片面感''も感じてしまって、アルバムの中で空気の変化が小さく、40分ながらちょっと長く感じてしまったのも正直な感想。むしろ私は彼の「エゴ的な性愛の爆発」も知りたいし、初回盤のみで聴ける『It's Alright(Bonus、M-4)』で古来の祈りをど真ん中に据えてポップとは言い難いような遊び心のある曲でもっと遊んでほしいよ、と感じてしまいました。

先述したように、初回盤には『Pre: Prema』として前作リリース以降の日本語詞シングル+『It's Alright(M-4)』という構成のCDが付いてくるんですが…

↓シングル『Workin' Hard(M-3)』などが収録。こういうブルージーさももっと欲しいんですよ…


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Workin' Hard

Workin' Hard

  • 藤井 風
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

正直に言えば、私のようにライト寄りなファンの方だったらむしろ初回盤を手にしてほしいです。

ベスト盤的機能性がありながら、真ん中に置かれた『It's Alright』のおかげでポップが中毒を起こさずにきわめてきりっとした空気で聴ききれますし、やっぱり日本人として日本語がスッと入ってくる、という率直な感覚から目を逸らすことは私にはできませんでしたね…。

■終わりに:もっと俗っぽく、高尚とは言い難いものがあっていいんじゃないか…

レビューは以上になりますが…

批判的レビューではありますが、聴きやすいのは間違いないです。まかり間違っても低クオリティではないし、この心地よさの部分が中心で求められるのも、そらそうよとは思っています。

ただ…それでも悟り切った感じではなく…もっと俗っぽく、高尚とは言い難いものがあってもいいんじゃないか…、と私はどうしても思ってしまうんですよね…。

iTunesは初回盤の内容ではないので要注意。

それでは、今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

もし気に入っていただけましたら、もう一記事、読んでいただけると嬉しいです。

 

※前回の当カテゴリの記事はこちら。音数が少ないながらも濃密でグルーヴィー。敷居はバカ高レベルの作品ながら、馴染んでくると一生ものになるような歴史的名盤です。RS誌オールタイムベスト'20年版・第28位作品。

musictherapy.hateblo.jp