こんばんは。キタダハルキです。
今日は少し本格的な気温低下も体感して、いよいよ秋がちゃんと来るか…?という期待を持った一日だったんですが…皆様はいかがお過ごしでしょうか。
さて、それでは今日のTSUTAYA DISCAS日記、やっていきたいと思います。
今日のキーワードは…【耳というより「身体で」聴いていけば…】。
それではレビューしていきたいと思います。
■Voodoo/D'Angelo(2000)
リッチモンドのネオ・ソウル系シンガーソングライター、ディアンジェロの2ndアルバムです。
まず、大前提として極めて高評価の作品です。RS誌のオールタイムベスト'20年版の28/500なんでね。
ただし…敷居もめっちゃくちゃ高い作品です。すぐに馴染めた方はセンスの塊。それぐらい日本人の凡夫である私にはなかなかすぐはわからなかった…
なんせ、アルバムの音の流れが基本的にリズム・ベースが「前」、メロディが「後」って感じの配置…こう…ステージがあったとしたら、リズム帯がボーカルよりも前にいるような感じなんですよね。上記『Devil's Pie(M-2)』の辺りは特にそういう感覚があると思います。しばらくの時間…体感としては『Spanish Joint(M-9)』でスパニッシュアレンジが入ってきて少しにぎわいだしたか…?となるぐらいまでは続く感じです。それまでは曲の違いがアハ体験でジワジワ画面変わるような…ぐらいにしか感じ取れない方も少なくないと思います。この感じをまずは受け入れるところからスタート、なんですよね。この敷居で思い出されるのは同じく名盤として名高いスライの『暴動』を聴いたときの感覚と似ていますね。
ただ、とにかく耳というより「身体で」聴いていれば、ベースとドラムがボーカルの粘りと溶け合うようなコンビネーションがセクシー*1ですよね。惹きつける男性的な色気といいますか。
その極致ともいえるのが『Untitled (How Does It Feel)(M-12)』。
ふんだんにプリンスの影響を受けたシャウト、グルーブ…そしてナルシシズムも感じさせるほどのセクシャリティな表現…これについていけるかどうかは人を選ぶと思いますけど、圧巻オブ圧巻。この曲にたどり着くころにはちゃんと世界に没入して、スケールの大きな音楽としてとらえられるようになっているんじゃないかと思うんですよ。
とりあえず、多少聴きにくいってなるのはもうある程度受け入れて、とにかく再生ボタンを止めずに1周はしてみてほしい…いや、1周じゃ足りないかもしれないけれど、気が向いたらチャレンジしてみよか…って感じで気長に楽しんでみてほしい作品。
幸い、スタジオアルバム作品数が3つと少なく、時間をかけて聴いても追い切れると思いますんでね。
■終わりに:耐用年数はそれこそ一生クラスかな?
レビューは以上になりますが…
そもそもR&B、ソウルが好きって感じじゃないとすぐはなかなか馴染みにくい作品ではあります。ただ…耐用年数はそれこそ一生クラスかな?とも思うぐらい、その世界の端っこまでは歩きつくせないとも思う作品。
敷居は高いです。ですが、その敷居をまたぎさえすれば見える世界が変わる作品とも思いますね。
それでは、今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
もし気に入っていただけましたら、もう一記事、読んでいただけると嬉しいです。
★D'Angelo・アルバム時系列レビュー
↓前作(1st)のレビュー記事はこちら。3枚ある彼のアルバムの中ではおそらく一番聴きやすい…はず。敷居が高い分、ここからチャレンジするのもありかと思います。
★関連(個人的お勧め含む)作品 ・記事
↓実は星野源はディアンジェロの影響を受けたと公言しているんですが、その情報を得た時は意外でした。当時はその意外性のみでお勧めとして掲載しました。ただ、改めてボーカルというより曲だけを聴く意識をしてみたら『Pop Virus』のトラック部分とか、リズム感にディアンジェロの影響を感じる部分がありましたね。
※前回の当カテゴリの記事はこちら。ビートルズの中で、もっともボリューミーな一枚。30曲が多様で、散漫と言われつつも求める曲が必ずひとつは見つけられるような一枚。
*1:歌詞は、精神性、愛、セクシュアリティ、成長、そして父性に関する叙情的なテーマを特色としている。中でも、愛と性に関しては音にも表れているように感じる。

