5年間、待っててよかった。
Les Misé blue/syrup16g 2022年11月23日
I Will Come (before new dawn)
明かりを灯せ
Everything With You
Don't Think Twice (It's not over)
Alone In Lonely
診断書
Dinosaur
モンタージュ
うつして
In My Hurts Again
In The Air, In The Error
Maybe Understood
深緑の Morning glow
Les Misé blue
先日、肉体を取り戻す過程、というようなテーマでsyrup16gの記事を書いたんですが…
聴きました。待望の5年ぶり新作アルバム。
まず、結論から言うと…
しょっぱなから、これは「今までと違うぞ…」というフィーリングがありました。
それは楽曲面、というより…サウンド周りの清々しさ。
不必要にザリッと歪んだりせず、穏やかに晴れた空のような…。実は、1回目のリスニングではその心地よさ（と、ほろ酔い気分ゆえ）で途中で眠りに落ち、最後の「Les Misé blue」で起きて、クリーンな気持ちのまま終わった、って感じ。
今回はそんなシロップの新作から、特に清々しいと思ったトラックを3つピックアップしながらお話ししたいと思います。
■「新しい夜明け前」の、所信表明。【I Will Come (before new dawn）】
もうね、この1曲目の手触りがいつもと違いました。
もちろん、今までに「なかった曲か」と言われたら、そういう話ではないです。「きこえるかい」とかに類するところはあると思いますし。
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ただ、音の像がきわめてクリアなんですよね。このころと比較するとね。
今までだったら重たく聞こえたかもしれないこの歌詞も…
変わっていった人を眺め Filler
変われないじぶんを知った Feel love
自分のことを受け入れて前を向いた、という感情に映るんですよね。まさにその心は「新しい夜明け前」。
所信表明のように、1曲目に置く必然性もある曲だと思います。
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■自虐をポップに笑い飛ばす「深い受容」。【Everything With You】
いやぁ…シロップにこんなに明るい曲、ありましたっけ？
ってぐらい明るく、さわやかなメロディが際立ってますね。サビのメロディなんてもう、すぐ口ずさみたくなるぐらいにポップです。
終始不穏なワード漂う歌詞はきわめて自虐的にも映るかもしれないけれど、その自虐を笑い飛ばすかのような「深い受容」を感じるのがこの楽曲の大きな魅力だと思いますね。
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■清々しく、割り切れたロックンロール。【深緑の Morning glow】
ハードなアメリカンロックのようなギターが印象的なナンバー。
おそらく、ギターの歪みっぷりで言えばこの曲が一番際立っていると思うんですが…これも清々しいというか。今までだったらもっと「音の輪郭はぼやかしていた」かなーと思うところ。フルスイングで、ノリノリ（シロップにこれを言うこと自体が新しい気が…）とか思えちゃうのがもう、すごい。
そのままの流れで行くわけではなく、タイトルが歌詞に出てくるシーンではペースチェンジ…8/6拍子とクリーンなギターで「朝霞」も真っすぐに。このスパーンと「割り切れている」感じが、今までとは違う、と感じましたね。
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■5年待った甲斐は、十二分にあった。待っていて良かった。
今回は切り口を「清々しさ」ってところに置いたので、この3曲のチョイスになりましたが…終始名曲ぞろい*1で、復活後のシロップでは間違いなく、最高の完成度だと思います。
5年待った甲斐は、十二分にあった。待っていて良かった。
心からそう言える作品だと思います。
*1:「診断書」とか、ほんま聴いてほしいです…。
