こんばんは。キタダハルキです。
今日はうまく「作業興奮」を活かして仕事が効率よくできた一日なんですが…皆様はいかがお過ごしでしょうか。
さて、それでは今日のDMM月額レンタル日記、やっていきたいと思います。
今日のキーワードは…【ひとり暮らしの男の家に行ったような感じ】。
それではレビューしていきたいと思います。
■満足できるかな/遠藤賢司(1971)
茨城県のレジェンドフォークシンガーソングライター・遠藤賢司の2ndアルバムです。
いやこれ…すごいですね。びっくりした。
というのも、考察として私こういう記事を書いていたんですけども…
この中のフォークの一例として彼の『カレーライス(M-2)』を取り上げたんですよね。
これはガッツリフォークだと思うんですよ。ということもあって、この感じの曲調が完全にアルバムの土台になっている…と思っていたんですが…
冒頭の『満足できるかな(M-1)』はひっくり返りましたね。
もはやストーンズばりにロックンロールしているし、こんなフォークロックに一発回答している楽曲があったのかと驚きました。歌詞もとてつもなくグロテスクで、血が滴るどころではなくスプラッシュして迸っているような状況。凄すぎ。
もっとも、先述のカレーライスからはフォーキーな楽曲が続くアルバムなんですが…当時の洋楽と音質的にも渡り合える感覚、ほんまにありますよね。ボブ・ディランの影響下にはある*1とは思いますけど、とにかく歌が自分の歌なんですよね。フラフラしているし不安定だけど、気取ったり、どこかから引っ張ってきた匂いがしないというか…。
また、こなせる楽器の数の多さも活きているのか、ピアノ・ギター・ウクレレ…といった具合に音も単調じゃないんですよね。中でも『早く帰ろう(M-9)』におけるブルースハープはムチャクチャかっこいいです。
こういう総合力を評してなのか、うちの奥さん(彼のことをまったく知らなかった)がこのアルバムを聴いて…「音楽が服を着て歩いているようで、身体が鳴っている。ひとり暮らしの男の家に行ったような感じ*2」という、なんとも生生しい感想を口にしていましたね。私ではこの言葉は出てこなかった…
率直に言えば、表現のどぎつさもあって敷居は低くはないので、海外勢(それこそボブ・ディランとか)でフォークに慣れてから聴く方がいいかなーとは思いますが、日本のフォーク史どころか、ロック史にも繋がる重要作品だと思います。チャレンジする価値は十分すぎるくらいある一枚。
■終わりに:日本語フォークの敷居をまたぐまで…
レビューは以上になりますが…
やっと聴けた、という感覚です。日本語フォークの敷居をまたぐまで10年単位で時間がかかってしまいましたが、これでちょうどよかった気もします。
時が来れば触れるようになる作品だと思うので、慌てず気長に…というスタンスでもいいんじゃないかと思いますね。
それでは、今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
もし気に入っていただけましたら、もう一記事、読んでいただけると嬉しいです。
★関連(個人的お勧め含む)作品・記事
↓先述したフォーク・カントリーの違いについて考察してみた記事です。皆様にも一回、いちいち考えてみてほしいと思っています。
↓ご存じ、ローリングストーンズの代表作です。『満足できるかな(M-1)』のロック成分は『Brown Sugar(下記作品M-1)』が土台じゃないかな?と推察しています。
※前回の当カテゴリの記事はこちら。スウェディッシュからのオルタナ。泥臭さと洗練で日本のシーンに新風を巻き起こしたボニピンのスマッシュヒット作品です。

