いちいち、音楽を考える。

音楽はフィーリングも大事だけど、いちいち考えてみたくなるんです。

皮肉めいてるけど、「勧善懲悪的」にスカッとする一枚。(Whatever People Say I Am, That's What I'm Not/Arctic Monkeys)

ほとばしる、フレッシュで爆発的なエネルギー。

 

Whatever People Say I Am, That's What I'm Not/Arctic Monkeys 2006年1月25日

The View from the Afternoon
I Bet You Look Good on the Dancefloor
Fake Tales of San Francisco
Dancing Shoes
You Probably Couldn't See for the Lights But You Were Staring Straight at Me
Still Take You Home
Riot Van
Red Light Indicates Doors are Secured
Mardy Bum
Perhaps Vampires is a Bit Strong But...
When the Sun Goes Down
From the Ritz to the Rubble
A Certain Romance

彼らとの出会いは…たぶんMTV。性急なビートで駆け抜けていくさまにあっけに取られて…って形でしたね。で、あっという間に軽音界隈でも流行りに流行り、コピーするバンドが続出しまくってましたね(私もやりました)。

なんせ、このアルバムのいいところは初期衝動的な勢いがありつつも、聴きやすいまとまりはあるってところかなと思います。結構珍しいと思うんですよ。多くの情報量を叩きこみながら、ポップさはあって一般大衆にまで及びきれる作品ってね。

今日はその中でも特におすすめの3曲について、お話ししていきたいと思います。

■感情の若さと、成熟したシニカルな視点のアンバランスさ。

 

PVが超シュール…なのはさておいて、ほんとドラムカッコいいですね。マット・ヘルダース(Dr.)の手数が多くも安定したテクニックが、シンプルな音使いで成り立ってるサウンドを単調にせず、飽きさせないものにしていると思います。

ちなみに、ブレイク後のギターの掛け合いとか、やっててマジ楽しいですけどね。あそこがやりたいがためにこの曲をコピーしたと言っても過言ではないほど。

その一方、歌詞(こちらがドラムの手数と張るぐらいに情報量がある)の中にある感情は「若いなぁ…」って思いつつも、シニカルな視点は成熟していて、そのアンバランスさがまたおもしろいですよね。

And she won't be surprised and she won't be shocked
when she's pressed the star after she's pressed unlock
and there's verse and chapter sat in in her inbox
and all that it says is that you've drunk a lot

(The View From The Afternoon/Arctic Monkeys)

 ※和訳はこちらにあります。

omisoaji.com

一度聴いたらクセになる。そういう楽曲だと思います。

The View from the Afternoon

The View from the Afternoon

  • Arctic Monkeys
  • オルタナティブ
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes

■せっかくカッコいいのに、こんなダセえところでくすぶってんじゃねぇよ!

 

さらに勢いは増すばかり、と言いますかね。性急にウワーっと殴りかかって来る感じと言いますか。

Oh, there ain't no love, no Montagues or Capulets
Are just banging tunes and DJ sets and...
Dirty dance floors, and dreams of naughtiness!

I bet that you look good on the dance floor
I don't know if you're looking for romance or...
Don't know what you're looking for
I said I bet that you look good on the dance floor
Dancing to electro-pop like a robot from 1984
Well, from 1984!

(I Bet You Look Good on the Dancefloor/Arctic Monkeys)

せっかくカッコいいのに、こんなダセえところでくすぶってんじゃねぇよ!っていう𠮟咤めいたものも感じますね。感情のエネルギーが、がっちり楽曲にも乗っかっています。

なんていうか、愛のあるビンタのような、そんな楽曲です。

I Bet You Look Good on the Dancefloor

I Bet You Look Good on the Dancefloor

  • Arctic Monkeys
  • オルタナティブ
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes

■皮肉めいてるけど、「勧善懲悪的」にスカッとする。

 

私が彼らと出会った楽曲。ドストレートに、裏稼業に対して痛烈に皮肉った楽曲ですね。

※歌詞と訳は、こちらのサイトに詳しいです。

omisoaji.com

皮肉めいてはいるんだけど、彼らの音楽には勧善懲悪的な「スカッと」するところがあるんですよね。静かに戦況を見つめ始めて、自分のところにも降りかかりそうな火の粉を振り払い、なんとかその場を離れ、ストーリーテラーのように静かに締める…っていうショートムービーのようなギュッと詰まった一曲になっています。

この曲も全員が入って来るときのワクワク感がたまらん楽曲ですね。キタキタキタキター!ってフィーリングがほとばしってますよね。

When the Sun Goes Down

When the Sun Goes Down

  • Arctic Monkeys
  • オルタナティブ
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes

■日本のシーンに与えた影響も非常に大きい一枚。

しかし、彼らが日本に与えた影響ってかなり大きいよなーと思います。それこそ、ほぼ丸々パクったんちゃうん?ってぐらいのバンドも出てきてましたしね。楽曲単位であれば、影響を一切受けなかったってバンドマン、そうそういないんちゃうかと思いますね。もっとも、それだけ高いエネルギーが爆発していたアルバム、ってことだと思います。

そういう意味でも、ぜひ一度触れてみてほしい作品だと思いますね。

 

★この記事で紹介した楽曲はこちら。

<アルバム>

Whatever People Say I Am, That's What I'm Not

Whatever People Say I Am, That's What I'm Not

  • Arctic Monkeys
  • オルタナティブ
  • ¥1500

<楽曲>

When the Sun Goes Down

When the Sun Goes Down

  • Arctic Monkeys
  • オルタナティブ
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes
I Bet You Look Good on the Dancefloor

I Bet You Look Good on the Dancefloor

  • Arctic Monkeys
  • オルタナティブ
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes
The View from the Afternoon

The View from the Afternoon

  • Arctic Monkeys
  • オルタナティブ
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes