一発屋ですが、完成度高し。
GET THE KNACK/The Knack 1979年6月
Let Me Out
Your Number or Your Name
Oh Tara
(She's So) Selfish
Maybe Tonight
Good Girls Don't
My Sharona
Heartbeat
Siamese Twins (The Monkey and Me)
Lucinda
That's What the Little Girls Do
Frustrated
ザ・ナックとだけ言われて、ピンとくる人ってそう多くはないと思います。世界的なスーパーヒットソングがあるし、某トーーク番組で毎週流れているのにも関わらず。
悲しいかな、ザ・ナックの評価は「一発屋」。活動こそ精力的だったけれど、その「一発」以外はなかなかヒット曲に恵まれなかった悲運のバンド。だけど、私はこの一枚、非常に完成度の高いスマートなロックンロールがならされていると思うんですよね。
なんせ、とにかく一度聴いてみてほしいと思います。
■アホっぽいけど、巧い!
オープニングを飾る疾走感あふれるナンバー。歌詞がアホっぽいのもGOOD。楽曲の勢いとガッチリマッチしています。コーラスワークやリズムギターの音作りからはサーフロックの影響も感じますね。
なんせ、うまいですよ。この音源ライブですけど、CDとぜーんぜん変わりません。オシャレやし、アレンジもちょこちょこ変えられていて、それでも「基礎」が非常に安定しているのを感じますね。勢いだけで押そうとして演奏がおかしくなるバンドも多い中、素晴らしいと思います。
シンプルに、スッと入っていける一曲だと思います。
■超・わかりやすい正直なラブソング。
どの曲を取り上げるか迷ったんですが、このバラードにしました。基本的には疾走感あふれるナンバーが持ち味のナックですが、バラードもしっかりまとまっています。なんせ、基礎がしっかりしてますよホント(特にリズム。ヨレが本当に少ない。)だからシンプルなアレンジでもチープにならないんですよね。
それはさておき、この曲もわかりやすいラブソングです。
I was such a shy guy
I could not tell you I love you(Maybe Tonight/The Knack)
詩的表現かと言われたらうーん…とも思いますけど、正直な思いでいいんじゃないか、と思います。このわかりやすさは彼らの大きな魅力だと思います。
■マーイシャローナ!は、全世界共通語。
やっぱ、この曲について話さないわけにはいかないですよね。メガヒットもメガヒットした、彼らの代表曲。
なんせ、冒頭のリフがエライですよね。マジな話、ギターを握ったことがなくても10分あれば弾けるかもしれないほど簡単なフレーズで、世界を席巻したわけですから。インパクトとしては絶大ですよね。このギターリフを活かすための休符も非常に効果的に使えていると思います。コーラスも全員で「マーイシャローナ!!!」って叫んでるだけでひとつになれますもん。全世界共通語ですよ、マジで。
そして、この曲の地味にすごいところは、中盤のバートン・アヴェールの超長尺のギターソロ。このギターソロのおかげで、ただ「簡単なだけ」のチープさから脱却できてますし、これもまた冒頭のリフのシンプルさを際立たせてますよね。
まさに、最高のロックンロールだと思います。
■分かりやすく、楽しいアルバム。
全体を通して、非常に楽しいアルバムです。わかりやすいラブソングが中心で、なおかつ上手いので耳がブレずにスーッと聴き続けられます。
マイシャローナだけじゃなく、全体通して名曲揃いです。そうじゃなきゃ、いくらなんでもビルボード6週連続一位って大記録は成し得なかったと思いますし。(ちなみに、マイシャローナは5週連続一位。)
今回紹介しなかった曲も、非常にまとまりが良くて聴きやすい曲ばかりです。もっともっと、再評価されてもいいアルバムだと思いますね。
★この記事で紹介した楽曲はこちら。
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