オシャレさと、抜きどころの両立。
THE BAY/Suchmos 2015年7月8日
YMM
GAGA
Miree
GIRL (feat.呂布)
Get Lady
Burn
S.G.S
Armstrong
Alright
Fallin'
Pacific
Miree BAY ver.
サチモスとの出会いは、おそらく口コミ。Facebookで誰かが「これいい」みたいな形で言及しているのを複数目にして、それで聴いてみたら、おー、おしゃれやん!そして気持ちいいなー、と思って聴き始めたのがきっかけ。
この気持ちよさは、リズム帯の下地の支えが非常に大きいと思います。イヤホンやらで聴くと、かなりの低音ですが輪郭のぼんやりしていない(音のキーがきちんと取れる)作りになっていて、身体に効く音ですね。HSU氏(Ba.)が作曲の中心になっていることもあり、あぁ納得、という感じです。ウワモノ(ギター、キーボード)がウワモノの役目に集中しても浮かないっていうのは非常に理想的なバランスだと思います。ベースが単音なのに、コードのように感じるぐらい、しっかりしてます。
そんなSuchmosの1stがアルバムが今回紹介する「THE BAY」。なんせ、気持ちいい一枚です。リピートしまくっても、飽きがこないぐらい気持ちいい。そんなアルバムから3曲、おススメ曲を紹介します。
■まとまり過ぎず、適度な「抜け感」を演出。
サウンドが気持ちいいですよねー。さわやかな空気感でドライブにピッタリ、っていう感じの軽快なナンバー。ファンキーでキレのいいカッティングがまたカッコいい。
で、これだけだとオシャレで終わりそうな感じもあるんですけど、サチモスのいいところは「歌詞」はスパイシーなフィーリングを出しているところ。
甘い円盤を探して 並ぶためにパンケーキ食べて
排水溝屈んで中を覗け dirtyなmouseが
モノレールで向かって蟻のような行進が習性
Chigasakiなら五分でもっと長いジェットに乗れるよ(GAGA/Suchmos)
マスに対する皮肉で、フックを効かせてますよね。
こういう歌詞だからこそ、オシャレにまとまり過ぎててなんかムカつく、ってならずに適度な抜け感が出ているんだと思うんですよね。
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■共通項という「隙」があるから、繋がれるチャンスがある。
脱力できていて、流れがいいなーと思いますね。合わせようと思ったら結構難しいと思うんですけど、そういうテンション感がなく、サラッとしていますよね。うん、カッコイイ。
ただ、この曲も歌詞でうまく「隙」を作れているんですよね。
愛と言う能書きわかって
用ない好感色
ポーカーフェイスで相手したってdown my sun ED(Miree/Suchmos)
これだけクールにふるまっていても、本能には逆らえずに「カッコ悪い」部分が出てしまう…っていうことなんですけど、サウンドがカッコいいからこその、クスッと笑えるような隙になってますよね。
特に、私みたいな「オシャレジャンル」不慣れ勢が入っていくためには「隙」は不可欠なもんだと思っていて。やっぱ、敷居が高そうに感じるわけですよ。こういうタイプの友達いないし(笑)。でも、共通項という「隙」があれば繋がれるチャンスがあるわけで。
そんなフレンドリーさも持ち合わせた一曲だと思いますね。
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■「多くを語るまい」っていう男っぽさ。
歌詞を全体通して読んでみると、愛の痛みをシンプルに語った曲ですね。
その歌詞・楽曲含め、情報量は少なめに抑えられていて、「多くを語るまい」っていう男っぽさが浮かんできます。その分、感情移入もしやすい楽曲だと思いますね。どうとでも入っていけるぐらい、隙間を残してくれています。
個人的には、ベースオンリーになるところが好きですね。音が渋い。そこから雨の表現(歌詞から察するに)らしきギターサウンドが乗っかってくる様子に高い描写スキルが光ります。
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■「隙」があるから、自由に聴ける。
今回、記事を書いていて思ったのは、完璧すぎずに「隙」がある、っていうのは入り込むために重要な要素やなーということ。
そりゃー、もちろん完璧なのはそれはそれでカッコいいけど、リスナーの色付けできる隙があるからこそ、好きに聴くことができるように思うんですよね。サチモスは、オシャレでありながらもそういう自由さも残してくれているところに、高いセンスを感じます。
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